セダンを完成させたブランド
クルマが好きな人にとってはわかりきったことだけど、アウディA4はDセグメントのプレミアムセダン&ワゴンで、メルセデスCクラスやBMW3シリーズのライバル車として、日本市場でも20年余りにわたって定番の輸入車となっている。免許をとって40年以上という年配の人にとっては、A4の前身がアウディ80という名称で、良家の奥様やお嬢様が乗るクルマとして知られる。
アウディ80の第三世代1986年に登場し、バブルの日本でもかなりの台数が売れたようだ。日本車では初のフルタイムAWD(MAZDAファミリア)が1985年に発売されたばかりだったが、1980年に栄光のアウディクワトロが登場し、1982年にアウディ100の第三世代がクワトロ化し、この三代目アウディ80にもクワトロが搭載された。現行車ではカローラアクシオに近似する5ナンバーサイズで、日本の道路でも使いやすいことがウケたのだろう。
先駆的存在
第四世代のアウディ80(最終世代)を経て、1994年に初代アウディA4と車名が変更になった。2001年に二代目、2004年に三代目と短いサイクルでフルモデルチェンジが行われたが、バブル後の景気後退の日本とは対照的に欧州ではユーロが導入されるなど、新たな経済圏の誕生で主要国のGDPは上昇した。2000年代前半はBMW3シリーズ(E46系)とアルファロメオ156の大ヒットによりプレミアムDセグは好調に推移した。
2008年の四代目アウディA4は全長が4.7mを超え、ライバル車よりも先に高級感を打ち出した。プレミアムDセグでは3シリーズ、Cクラス、アルファ156の他にフォードグループのプレミアムを担うジャガーXタイプが好調であったが、これらを高級感で上回る四代目A4の登場で、Cクラス(W204)、3シリーズ(E90系)などは欧州での販売台数を大きく落とした。