日本市場での低迷
第二次安倍内閣が長期政権となると、日本市場ではVWやアウディの販売が低下する。中国で日本車が破壊されたり、トヨタの輸出車が税関で長期に渡って止められたりなど、中国のVW優遇政策が断片的に報道されたりして、にわかに巻き起こった日本人の民族的イデオロギーが影響したことは否めない。VWやアウディの販売は低迷いたが、同じVWグループのポルシェやランボルギーニは過去最高に売れている。
2008年の四代目アウディA4は、全長4.7m超まで車体サイズを拡大させて登場した。新たにMLBプラットフォームが採用され、アウディA4及び上位グレードのアウディ車全てにこのプラットフォームが採用された。厳密にはMLBには大小の2種類が存在するが、この2つのシャシーでアウディ、ベントレー、ポルシェ、ランボルギーニの乗用車&SUVのプラットフォームが共用化された。ハイエンドなブランドと同じプラットフォームを使った先代や現行のアウディA4の中古車価格は確かにお買い得感がある。
プレミアムカーなのに注目度は低い
中古車価格では、ライバル車のBMW3シリーズやメルセデスCクラスも同じように手頃感はある。高齢者向けのクルマに見えてしまうのだろうか。確かにアパート近くの青空駐車場に型落ちのドイツ車Dセグセダンがあるのは、高齢社会を象徴するような光景かもしれない。または20年ほど前にドイツメーカーが描いたプレミアムセグメントのデザインが、2024年現在では完全に賞味期限切れなのかもしれない。情報のスピード化によって、あらゆる製品デザインの風化は以前より早くなったと言われている。いずれにせよSNSでこれらのクルマを晒す人は絶滅状態だ。
ホイールベースが2.4m程度だったアウディ80ならば、スポーツカー(現行トヨタ・スープラなど)に匹敵する小回り性能で、理論上は回転半径も5mを下回る。しかし現行のA4だとホイールベースは2.8mを超えていて、最小回転半径も6mになる。身もふたもない話だけども、ホイールベースが2.8mを超えてくると、どんなクルマであれ、大型ミニバンのようなゆったりとした乗り味となるので、最高出力を高めたパワーユニット(250ps以上か?)でないと、シャシー性能に対してエンジンが物足りない印象になる。