人生を楽しむ国
「クルマもロードバイクもイタリア製しか乗らない」そんなこだわりが持てる数少ない国だ。イタリアはドゥカティなどオートバイ生産も盛んなようだ。一日中アイフォンと睨めっこして、電動キックボードに乗って、スポーツウェアで平気で外出するような、タイパ&コスパ人間から見れば、イタリアも日本も「G7の落ちこぼれ」でしかないかないのだろう。
アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランスなど、一人当たりの所得が日本よりもはるかに高い水準にある「G7の勝ち組」は、その高い人件費が仇となって国内製造業は混迷を極めている。高い所得を維持するために、製造業は過度な技術革新に走る。過度な資本主義メンタルによって「エンジン車を作り続けるリスク」に耐えきれなくなる。トヨタやMAZDAのエンジン維持の方針は「貧乏な日本」の象徴にしか見えないだろう。
イタリアがドイツを脅かす
日本人は貧乏だからまともにドイツ車が買えなくなったのか? そんなことはない。アメリカでも中国でもすでにメルセデスやBMWは衰退の一途を辿っている。マセラティがミッドシップとFRクーペの2車種のスーパースポーツを発表し、新型エンジンまで完成させたが、ポルシェは992のマイナーチェンジがフリーズし、911の供給が止まってしまっている。価格高騰を誘発させる経営テクニックなのだろうか。
極度の経営危機が囁かれているVWグループだけども、あまりに元気なイタリア勢に手を焼いている。フェラーリ(フィアット)とランボルギーニ(VW)がライバルだとしたら、マセラティとポルシェが対峙する関係になる。マセラティが600ps級のMC20と、500ps級の二代目グラントゥーリズモを相次いで発表した。MC20は「911ターボS」をターゲットにしているし、グラントゥーリズモも高性能GTカーとして「911カレラ」を完全に超える性能を出してきた。