メルセデスやBMWが失速する理由
「MAZDAがもっと大規模なメーカーになってしまったら、人々を魅了する優れたクルマは作れなくなる」と、幹部がインタビューで言っていた。すでにMAZDAよりも大規模になっているメルセデスやBMWは、MAZDAにとって恐れる相手ではないらしい。テスラもMAZDAを上回る生産台数になった辺りから、輝きが失われてきた。150万台/年が自動車メーカーがクリエイティブさを維持する限界という説は信憑性がある。
日本市場で正規販売されている輸入ブランドだと、150万台を超えていないのは、ジープ、ランドローバー、ボルボ、アルファロメオといったところだが、いずれも日本市場で独特の個性を放っていて、それぞれにある程度の頻度で街中で見かける。個人向け乗用車が最低限の多様性を維持できているのは、これらの中小輸入ブランドと、ロードスターを作るMAZDAと、BRZ(GR86)を作るスバルがあってこそだ。
アルファロメオ快進撃
アルファロメオの正確な販売台数は非公表なので不明だけども、2022年のトナーレの販売までは、グローバルで10万台を下回るくらいだったようだ。2023年は大幅に販売を伸ばしたようで、2027年までに20万台突破が目標だそうだ。ジュリア、ステルヴィオ、トナーレの3車種だけで、ドイツや日本のメーカーと渡り合い、北米市場でもしっかりとシェアを伸ばしている。もしMAZDAが150万台を超えてつまらないメーカーに堕ちたとしても、まだ世界にはアルファロメオがある。
人によって意見は違うかもしれないが、トヨタのような巨大メーカーのクルマは総じて「不満はないけど、良いところも無い」といったクルマが多い。これが中小メーカーで最大規模のMAZDAになると「不満はいくらかあるけど、オンリーワンな魅力もある」にクルマ作りが変わる。大手と同じことをやっても規模のメリットで潰されるだけだから、意図的に設計を変えている。MAZDAへのネガキャンを行うメディアやインフルエンサーはこの構図がわかっていないだけだ。