成長できるブランドの条件
ステランティス・グループのジープがSUVブームを背景に快進撃を遂げた。急成長によって2027年の150万台超えという目標が現実のものになっている。大成功の中小ブランドが、大手ブランドのフェーズに突入する。日本市場でも北米市場でもジープやMAZDAが、BMWやメルセデスを駆逐しつつあることが、販売台数の推移から読み取れるが、2023年に125万台に到達したMAZDAも、今後さらに販売台数を上積みしてマイルド化が進めば、小規模のブランドに追われる側になるのだろう。
スバル(95万台/2023年)や三菱(100万台/2023年)が、MAZDAを追う側になるとは思えない。そもそもスバルや三菱はMAZDAよりも給料が高いくらいだ。冒頭にも書いたけど、日本とイタリアは「G7の落ちこぼれ」だからこそ、製造業のポテンシャルは高い。アルファロメオとマセラティは、日本メーカー(レクサスなど)、ドイツメーカー(ポルシェなど)の崩壊気味のシェアを奪いに行っている。
日本とイタリアはICEで勝負するべき
新時代の到来を予感させるマセラティ・グレカーレとアルファロメオ・トナーレは、それぞれにSUV市場のど真ん中に投下された。カイエン、BMW・X5、レンジローバースポーツ、ディフェンダー110、ステルヴィオが同じくらいのサイズで対峙する市場に、マセラティ・グレカーレとMAZDA・CX-70(北米市場など)が登場した。ちなみにトナーレはCX-5をコピーしたようなサイズだ。イタリアと日本のものづくりアドバンテージでどれだけ既存勢力を押し退けるだろうか。
アルファロメオとMAZDAの奇妙なシンクロは続く。アルファロメオ初のBEV専用車ジュニアは、ブランド初となる海外生産(ポーランド)になるようだ。MAZDAも初の大容量BEVとなるEZ6を中国メーカーとの提携で開発した。両陣営ともに、イタリアや日本の工場はICE生産では大きなメリットがあるけど、BEV生産には向いていないと結論しているようだ。この両者にはVWの現状(工場閉鎖&解雇)はどのように捉えているのだろうか。
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