最小モデルがブランドを変えた
ランドローバーの最小モデルはレンジローバー・イヴォーク(全長4380mm)で、これがサイズ的にはCX-5(全長4535mm)に相当する。全長だけならCX-30に近いが、全高がCX-30よりも100mmも高いため、CX-5の存在感に近い。イヴォークとCX-5は同じ横置きシャシーで、先祖をたどるとフォード&MAZDAの設計にたどり着くので、兄弟車ならぬ従兄弟車くらいの関係だ。
イギリスのランドローバーと日本のMAZDAは、どちらもマイルドハイブリッド付き直6ディーゼルが縦置きシャシーモデルの主力エンジンになるなど、技術的なバックボーンが似ている。背後に同じサプライヤーやエンジニアリング会社の存在を予感させる。MAZDAの新工場がスロバキアにでも建設されるかもしれない。
MAZDAの質的変容
MAZDAはCX-60、CX-80を発表して、内装の作り込みのレベルをさらに大きく上昇させた。CX-5やCX-8の方が良かったという意見もあるかもしれない。日本のユーザーにとってはCX-5やCX-8の「とりあえず日本車最高レベル」の内装クオリティは心地がよく親近感もある。CX-60やCX-80の上位グレードはそこまで華美にする必要あるの?もっと手軽に作ってくれ・・・という本音もよくわかる。
トヨタ・レクサス・日産・ホンダの日本の大手メーカーを参考にしていたら、おそらくCX-60やCX-80の内装は、あのレベルまで達してはいないだろう。レクサスはトヨタの延長線上にあるけども、新世代MAZDAのラージプラットフォーム車は、既存のMAZDA車の延長線上とは思えない異質さを感じる。日本市場での拡販を狙っていないので最初から世界基準の質感なのだろう。