MAZDAが認めたクオリティ
新旧のMAZDAのインテリアが本質的に異なるものになった。どちらが良い悪いといった優劣ではない。CX-5やMAZDA6のインテリアで強く訴求されるのは「包まれ感」である。BMWやVWなどドイツメーカーの影響を強く感じる。ドライビングに最適化された機能性と、何時間居ても落ち着いて過ごせる適度なサイズのインテリアは、ずっと乗っていたい気持ちにさせてくれるBMWやVWに近い感覚だ。
一方で、CX-60やCX-80はインパネを見てもMAZDAという特徴は薄い。巨大になったセンターコンソールと、それに合わせてデザインされたシフトノブがすでに、ランドローバーのフラッグシップであるレンジローバーを連想させるものになっている。BMW・X5やX6のように派手にインパネを縁取ることもせず、ポルシェ・カイエンのようなスポーツカー風でもなく、メルセデスGLS・GLEのような丸いエアコンでもない。
何も気付けないカーメディア・・・
CX-60の発売当初は、既存のカーメディアはMAZDAデザインの変化に目を留めることもなく、BMW・X3やメルセデスGLCを真似たと報じていたけども、最初からドイツ車やレクサスはMAZDAの眼中にはなかったようだ。目指すべき高級SUVを完成させているとMAZDAが認めた唯一のメーカーがランドローバーだったのだろう。
2010年頃にレンジローバー・イヴォークが発表され、このたった1台の小型SUVの誕生からわずかに14年で高級車の勢力図が完全に塗り変わってしまった。しかもイヴォークに使われていたシャシーは元々はMAZDAが設計したものだし、搭載されたエンジンもMZRだった。MAZDAの持てるマテリアルでも十分に世界をひっくり返す高級車が作れることに衝撃を受けたことだろう。