実用車が成立しない異常さ
紅葉の季節になり、東京都の舗装道路最高地点でもある奥多摩周遊道路へ行ってきたが、この日も標高1000m付近にある都民の森付近で、JASのレッカー車を見かけた。老夫婦が軽自動車の脇に立っている。それほど古い型式ではなく、軽自動車で主流のスーパーハイトワゴンタイプだったが、車重1000kgくらいあってNAの660ccのエンジンでは、ニュルブルックリンク北コースと同等の高低差を持つ奥多摩周遊道路を走破するのは無理がある。
紅葉狩りはクルマが活躍するイベントだけども、関東山地の急峻な山々に分け入って行くには、2L以上の排気量があって、最低地上高も確保されているハリアーやCX-5がちょうど良い。シートポジションも高いので景色も良く見える。実用車としては申し分ないのだけど、東京在住の人々の意識では、ハリアーやCX-5に得意げに乗っている自分が客観的に見て許せないようだ。他人からどう見られているかを気にし過ぎじゃないか?
二極化が進む!?
ハリアーやCX-5に400万円も払ってられない東京では、「わ」ナンバーのコンパクトカーが街中で増殖している。クルマを停めるところもまともにないので、観光客がカーシェアをえらぶケースは非常に少ないと思われる。乗っているのはおそらく地元の人々だ。クルマを用意する運営会社は、狭い道路も考えてBセグのロードカー、SUV、ミニバンをラインナップすることが多いが、東京ではBセグ車はかなりの割合でシェアカーである。
これらのシェアカーは、数年後にはインドや東南アジア生産の日本メーカー車もしくはBYDなどの中国メーカー車ばかりになっているかもしれない。東京で自家用車として売れるのはドイツ車ばかりになり、すでにたくさんある輸入ブランド車を使ったシェアカーも拡大するだろう。このままではハリアー、CX-5だけで無く、クラウンやCX-60も東京ではまともに相手にされないまま終わる。