日本車は高過ぎるだろ!!
2000年以降の世界的なVWグループの急拡大により、2010年頃にはトヨタグループと同等の販売台数を記録するようになる。日本のODA(実質的には日本製品の販促費)が1997年比で2010年には半分になり(民主党政権がカットし、その後の安倍政権でも継続)、2009年のリーマンショックと2011年の震災のダブルパンチを受けたトヨタは苦境に立たされたが、2013年以降のアベノミクス円安誘導(新たな販促費)とTPP市場の形成によってトヨタグループ全体で900万台 / 年を維持する。
世界の自動車産業の巨大プレーヤーはトヨタとVWの2強となり。日独頂上決戦を煽るような報道・出版物もたくさん出たが、2015年のディーゼル事件と2021年のメルケル退任によりVW、アウディの勢いが止まってしまった。日本市場ではあまりの販売不振に、円安基調でも価格を最大限据え置いた結果、アウディは高級車ブランドでは一番コスパが良いということにユーザーは気づき始めている。逆にコロナ禍からの脱却インフレを受けて日本メーカーの上級モデルは価格高騰が目立つ。
手頃なモデルで比較すると、アウディA3の415万円に対して、レクサスUXは455万円、スバル・クロストレックS:HEVが383万円と、大した差ではないけども、受注生産のレクサスやスバルと違って値引き額が大きいようだ。A3と同じロードカーで比較してもインプレッサ(278万円〜)やMAZDA3(6MTなら297万円〜)は適度なグレードを選んで値引きがあったとしても乗り出しで350万円くらいになるので、ほとんど差が無くなっている。水平対抗エンジンに拘るならインプレッサで、トルコンATか6MTが良いならMAZDA3なので、価格だけで決定されるジャンルではないが。
冷静に比べるとアウディA3のアドバンテージは大きい。ボトムグレードのアウディA3スポーツバックのエンジンは、VWゴルフと共通の1.5Lターボ(116ps)でトルク以外に特筆する点はないが乗ってみると車体も軽くバランスが取れている。内装にこだわらなければ349万円でVWゴルフが買えるが、アウディA3を選べばインテリアの質感は大きくグレードアップする。VWゴルフ、アウディA3ともに上級モデルの基本装備となっている後輪マルチリンクが配置されている点もMAZDA3やインプレッサを上回る。