レクサスとアウディのICE回帰
アウディA5の発表&発売と、ブランドの新しいナンバー名は、BEV全振りを力強く表明していた方針を、市場の変化を鑑みて柔軟に対応する方針へと変化したことを意味する。エンジン車が好きなユーザーにとっては歓迎すべき(当然の?)展開である。2024年のA5のFMCによって、今後は1、3、5、7の奇数番号はエンジン車、2、4、6、8の偶数番号はBEVになると発表して多くのユーチューバーが引用しているが、2025年の新型A6発表時に、A6はICEとBEVで共用するとしている。
VWグループのブランド展開は、トヨタグループにも大きく反映されていて、トヨタが新たにGRとセンチュリーのブランド化を発表した。VW=トヨタ、アウディ=レクサス、ポルシェ=GR、ベントレー=センチュリーの対峙によって主要市場の販売ニーズを二分する思惑が見える。さらにアメリカ共和党が主導しているとされる「米中デカップリング」で、半導体、通信機器、自動車などの経営に大きな判断を強いられる中で、巨大な自動車グループなため、中国資本の影響は少ないトヨタ、VWは、表面的には「米国側」に立っている。
メルケル時代は中国市場とともに成長したVWやアウディだったが、報道によればアウディの新工場をアメリカ国内に検討していて、経営状況が思わしくないVWはワシントンに補助金を求めているらしい。最近でもトランプ政権が排ガス規制の緩和したと報道されたが、翌日にこれを待っていたかのようにGRがV8エンジン搭載のスーパースポーツ(ICEとHEV)が新たに発表された。これはトヨタのロビー活動が共和党を動かしているという強いメッセージなのだろう。
アウディも今年(2025年)の6月には、計画を変更してエンジン車による新型車を来年以降も投入することを表明している。A1、Q2に関しては現行モデルで終了するようだが、昨年登場したばかりのA5、今年発表されて来年に日本にも導入されるであろう新型A6に続いて、来年に新型A3が発表される可能性が高い。アウディがいつまでエンジン車を作るかは、世界情勢によるとされていて、確定されたスケジュールとして2026年にエンジンの新型車(新型A3?)が出ることを明言している。