第12位 フェアレディZ
ここにランクインする全てのクルマに共通することだけど、日本車とは「走るために買うクルマ」あるいはその洗練された乗り味で「心身ともに健康になるためのクルマ」だと勝手に定義している。見栄とかいう俗世の雑念から解脱し、最高のカーライフと送るための道具。2000万円以上するアストンマーティンのスーパースポーツと同等の性能(405ps)がありながら、およそ1/3の600万円で買えると思えば最高の選択に思える。
「ポルシェの代替品」とか言われていた歴代のZと同じ立ち位置のまま2022年に新型になった。もちろん性能の裏付けがなければ代替品にすらなれない。このスペックを見せつけられると、某社のロータリースポーツを期待していた貯金をこのクルマに使ってしまえ!!って人もいそうだ。日本の公道のどこでこのスペックを使い尽くす!?のだろう。しかしVR30DDTTは、日産がアウディやBMWを名指しして、ドイツエンジンを全面的に上回るスペックを踏まえて注力した世界最高峰のエンジンである。その存在こそが、ドイツ車至上主義な人々に対して、強烈なアンチテーゼでもある。
第11位 GR86/BRZ
ちょっとした偏見かもしれないが、GR86は運転マナーがとても良いドライバーが多いクルマという勝手なイメージがある。MT派の割合が高いこともあるだろうし、残りはトルコンATということもあって、CVT車のようにイキリ立った走りをする人は見たことがない。、高速道路では急激な加減速を見せることもなく、当然ながら煽り運転もなく、救急車が来ればハザードを出して傍で待機。スマートに振る舞うクルマランキングがあればかなり上位にくるだろうし、トヨタ車では完全にベストだと言える。
狭くて全く使い物にならないリアシートは、現在の日本メーカーの製品開発では排除されがちである。ホンダやMAZDAなど世界のNCAPスコアに全力で取り組んでいるメーカーからしてみたら、あり得ない選択なのかもしれない。しかしあまりにも乗員保護に注力し過ぎたホンダやMAZDAには、このクルマのような「昭和の香り」が感じられなくなっている。ほとんど使われないけど立派なリアシートを抱えて走る意味ってなんだろう。そういう意味でも非常に貴重なクルマだ。