第8位 インサイト
「ミドル of ミドル」な世界観ってカーメディアでは全く語られることがない。車格を求めて大型化するか、スポーティな走りを求めて小型化するか、どちらも最もらしいマーケティングだけど、3シリーズやX3にCX-60のような高級感があるか?X2や2シリーズクーペにロードスターのようなスポーティさがあるか?哲学なきクルマ作りなど、何一つあモーショナルなものは生み出せない。そんなことを続けていても先が知れている。
インサイトは高級感もスポーティさも追求してはいない。自分の頭で考えようとしない「大衆」ユーザーの視点からはスルーされてしまうだろうが、「キャビンは広く」「スポーティ全開のユニット」「車格を大きく見せる」ことにやたらとこだわり過ぎているホンダの現行ラインナップの面々の中で、それらを全く気にしていないこのクルマには独特の「余裕」が漂っている。400万円を払うに十分な理由を見出せる。
第7位 WRX
「公道最速の峠マシン」の伝統を残しつつ、WRXを新しいクルマに変えようとしている。もはや三菱や日産とAWDターボ車最速を競う必要もなく、「スバル」というブランド力が、自動車メーカーとしては北米最高レベルにあることを証明している。専用設計スポーツカーではないし、スペックもスーパースポーツの一線級を追わずに、実用燃費を意識したデチューンが施されるようになった。
方向性無き進化はスバルにとっては大きな博打かもしれないが、スーパースポーツと一般の乗用車の間に大きなスペックの差が生まれる中で、ゴルフGTIのように愛されるクルマと言っていいかもしれない。ハイエンドな加速ではないかもしれないが、ずっと走っていたくなる爽快さをCVTで実現している奇妙なクルマ。