第10位 GRヤリス
トヨタが欧州のカーメディアを喝采させた「モニュメント」的な名車。2000年頃にヤリス、カローラランクス、アベンシスが相次いで欧州市場に投下されトヨタが本気でクルマを作り出した。当初はヤリスやカローラランクスは日本向けと欧州向けでは違う仕様になっていたが、今では欧州向けの伝統を受け継いだモデルがヤリス、カローラスポーツとして販売されている。
MT車も各グレードに取り揃え、VW、ルノー、PSA、ホンダ、MAZDAを相手にトヨタが「全く引けを取らない」あるいは「互角以上」とか言われる走りの質を実現している。GRヤリスの登場で「Bセグの世界最高レベル」をトヨタが掴んだ。内装なんてどうでもいい。フラットで応答性に優れた走りと、どんなコンディションでもヘタらないで吹け続けるエンジンが手に入るのだから。
第9位 コペン
GRヤリスには、まだまだスイスポ、ポロGTI、MINI、アバルトなど代替できるモデルがちらほらある。しかしコペンの存在価値はオンリーワンだ。軽自動車規格でオープンルーフを備える特装車。バブル期の日本メーカーの楽し過ぎる発想を可能な限り後世にまで語り継ごうとするダイハツの情熱には、ただただ頭が下がる。
重たい車体を排気量の大きいエンジンで動かすだけの、グローバル規格で作られたSUVばかりが新型モデルとして跋扈する状況には、少々嫌気がさしてきた。エクステリアもインテリアもお互いに真似しあっているだけで、オリジナリティなんてあったもんじゃない。その対極で開発されているクルマがコペンだ。軽規格にこだわって、ジオメトリーで走りの質を追求するクルマづくりはこれからもっともっと貴重になるだろう。SUVなんてオワコンだ。