日本=ガラパゴス!?
高価格帯のBEVに始まったテスラが、ドイツで生産工場を稼働させ、実用車の市場でも存在感を見せている。欧州の盟主であるVWが「実用BEV」の切り札として発表したID.4は、ドイツ、中国、アメリカの3工場で2020年から生産が始まった。欧州、中国、アメリカのBEV連合地域によるスタンダード化は、日本メーカー群をグローバルで孤立させる動きだと連日報道されているが、それを象徴するようなクルマである。
BEV専用プラットフォームだそうで、MQBの各モデルとはサイズ感が違う。この10年あまり経営上の混乱もあってVWグループからグローバルでスマッシュヒットするようなクルマが出ていない。中国市場頼みのドイツメーカーと、アメリカ市場頼みのトヨタ、ホンダ、日産、スバル、ヒュンダイはそれぞれの地盤を、新興テスラから守るのが必死だ。
世界的ヒット車に学ぶ
特定の市場に依存せずに、所得の高い地域全般に進出し年100万台以上販売する唯一のメーカー(日本)が、約10年前に1台のクルマを発表し、それがわずか数年で世界的大ヒット車になった。ID.4はこの大ヒット車のサイズにほぼ一致する。北米、欧州、中国、日本、オーストラリア、ロシアなど主要市場全てでヒットしたこの伝説のクルマをよく研究しているのがわかる。
ライバル車となるテスラ・モデルYやヒョンデ・アイオニック5と比べて抑えられた1584✖️1852mmだけど、VWグループのティグアンやQ3よりも明確に大きい。日本メーカーのSUVも、この大ヒットSUVを真似て次々とこのサイズに落とし込まれている。ワインディング、狭い駐車場、林道、高速道路とどこを走っても困ることはないし、存在感もあって見た目もカッコいい。