最初に言っておきますが、マツダ、ポルシェ、アルファロメオ、ジャガーといったカルトメーカーは除外します!!スライドドアを配したミニバンに自然吸気のショートストロークエンジンを搭載したり、BセグにDEを搭載したり、SUVなのにサーキットでスーパースポーツ並みに走るとか、RRシャシーのハイスペックモデルなどなど、戦慄と狂気が支配するメーカーは頭がおかしい!! 老若男女が気楽に乗れるファミリーカーが多いとても平和なブランド、例えばトヨタ、ホンダ、VW、BMWといったどこか「田舎」っぽいメーカーから5台を選びたいと思います。
第5位 スバルXV(213万円〜)
インプレッサの3タイプのうちで、ハッチバックとセダンは『非リア』向け、XVは『リア充』向けなのかなー。そんな空気を強く感じるこの頃です。XVはスバルがこれまで積み上げてきたブランドイメージを全部裏切ってでも「イメチェン」と「利益確保」に走ったモデルですねー。スバル好きを自称する人々のヒエラルキーの最下層が先代インプレッサ1.6L・AWDのMTモデルにこだわりを持っていたりしましたが、今やスバルにとってベースモデルのインプレッサは正直言ってマーケット的には『どーでもいい』モデルになりつつあります。
新型プラットフォームはドイツ車/日本車の全てを凌駕する!!との触れ込みもありましたが、ハッチバックとセダンは古参の職人気質の主査が作ってそうな渋いデザインで相変わらずです。それに対して先代からブレイクしてアメリカ市場でも人気を誇るXVは、(あくまで想像ですが)リア充でパーティピーポーな主査が徹底的にトレンドを追っかけて作っているかのような洗練ぷりです。「スバルとかクルマとかよくわかんねー!!」という若者もあまり難しいこと考えずに乗れるクルマ・・・という意味ではスバルらしくないな。
アメリカでは全く人気なかったインプレッサですが、その現場を変えたXVの担当者は、スバル社内でも肩で風を切って歩いているはず。勝手な想像で恐縮ですが、ちょっとジメジメした風貌の人が多いスバルの開発者のイメージを覆すような爽やかイケメンが担当してんじゃ!?彼らがもっと発言力を高めて、「もうボクサーやめましょう!!」とか言い出したら・・・世間が恐れているスバルのト⚪︎タ化なのかもしれませんが。
第4位 ホンダ・オデッセイ(276万円〜)
世界に羽ばたくホンダが生み出したたくさんのモデルの中でも、個性が際立つのが「オデッセイ」です。一見トヨタのエスティマや、マツダのMPVみたい雰囲気ですけども、中身は全然違う!!オデッセイシリーズは先代までヒンジの4ドアだったのですが、今回から車高が高くなりスライドドアになりました。当然に車重も上がりましたが、ホンダの自然吸気Vテックのうち2.4L版が日本で楽しめる唯一のモデルになってしまいました。
クルマのバランスや、最上級ミニバンに使うことを考えると、1.5Lターボの代替導入を避けたのはホンダの英断だと言えます。そんな旧型エンジンを残したのはコストダウンだ!!とか書き立てるカーメディアもあったりしますけど、低燃費時代になって次々と傑作の自然吸気エンジンが消えている日本メーカーの実情がわかってないよなー。いいエンジンとは何か!!の議論が全く熟成しないカーメディアも珍しい。
3000万円するフェラーリのエンジンがいいのは当たり前ですけども、アウディ、BMW、アルファロメオといった「失われた名機ブローカー」の業績も、世界を救った三菱エンジンも、世界を叩き潰した日産、ホンダエンジンも、英国スポーツカーを支えるマツダエンジンも語ることがタブーになっているんですねー。純正・三菱直噴ターボを乗せて復活したアルファ・ジュリア、マツダMZRを積んで日本に入ってくるケータハム、ジネッタ、ラディカル。どれもユニットは全く話題にならないです。カーメディアが推しているドイツ車の最近のエンジンは本当にダメダメだから・・・。
オデッセイ・シリーズのライバルは「BMW7シリーズ」らしいです。少なくとも以前のモデルではベンチマークしていると開発者が明言しています。そんな馬鹿な!!って思うかもしれないですが、結構有名な話です。アメリカではオデッセイは「BMWのように走るピープルムーバー」として認知されています。ホンダが世界にドロップした『グレートネス』なシリーズ、それがオデッセイです。
第3位 ボルボXC60(599万円〜)
日本メーカーがいま最も恐れているSUVじゃないでしょうか!? とにかくメーカーの理想を実現するための設計が満載です。日本車もドイツ車もフルモデルチェンジのたびにコストダウンが至上命題になっていますが、その両陣営の弱点を的確に掴んだ上で、徹底した「ハイスペック主義」を振りかざしていて、「政権交代」を強引に推し進める狙いが・・・。
基本設計は上級モデルのXC90のものをそのまま使っているそうです。つまり横置きFFベースのAWDに4輪DWBを配した設計です。サスペンションのアームも太い!!ゴツい!!もうこの時点で既にオンリーワンです。プレミアム路線でSUVを投入しているメーカーで横置きFFベースはボルボ、ホンダ、マツダ、レクサス、ランドローバー、ジープ、フォード、BMW、メルセデス、アウディですが、フロントAWDを使っているのは現在のところボルボだけ。他はストラットです。
故にボルボだけ300psという出力が可能になる。他は真似したくても無理。トルクステアが抑えられずに運転に支障が出るから。しかもユニットの組み方も2L直4ながら「ツインチャージャー」が基本で特性をうまくコントロールしています。かつて一世風靡したもののコストの壁から消えていったVWの「ツインチャージャー」を見事に踏襲しています。どっかのメーカーがやってる「ツインスクロール」とかいう偽物とは全くレベルが違う。
この手の考え抜かれたクルマは、日本市場でカルト的な人気を誇ることが多いです。もうこのクルマが出てきてしまったら、300万円台だから安い!!以外に他のメーカーの中型SUVを買う理由がなくなりました。そして日本以上に、クルマの品質に過敏なのが実は中国らしい。この国は2001年のWTO加盟以降に登場した「手の込んだ名車」がことごとく大ヒットしています。日本車でもよく売れたのが、アコード(CG/日本名インスパイア)、アテンザ(GG/GH)、GT-Rなどなど。次の大ヒットは、ボルボXC60かアルファロメオ・ジュリアか、それともレンジローバー・ヴェラールか!?
第2位 三菱デリカD5(240万円〜)
オデッセイと双璧をなすメイドインジャパンの「ハイスペック・スライドドア車」です。家族を乗せて雪山越えの峠道をあっさりと踏破でもすれば、お父さんの株も上がる!!ってことでしょうか。突然の大雪で電車が止まったからお迎えに来て!!と言われても、クラウンやフーガといったFR車ではまず出動不能ですから、このデリカD5で颯爽と現れて、スライドドアですぐに乗り降りできて荷物も一緒に放り込める広いキャビン。三菱の想像力は抜群ですね。・・・というか日本メーカーだったらここで勝負しろ!!
第1位 アウディS1(423万円〜)
アウディといえば、元々は「ホルヒ」というドイツの伝説的な高級車ブランドに由来する名門なんですけども、最近ではすっかりVWグループの『最優良販売チャンネル』として重宝しているようです。成長著しい中国市場でプレミアムブランドとしては完全に1強体制を作り上げました。日本でイマイチなのは、大陸向けのLセグメントに注力したからだと思います。1989年以来Lセグに君臨するレクサスLSに、静粛性で最も接近したモデルはアウディA8でした。
ドイツではBMWを追い抜かし、中国では圧勝ですが、日本とアメリカではイマイチです。そんなアメリカ市場にはR8を、日本市場にはこのS1を「打ち込んで」存在感を高めようってことらしいですが・・・。オンデマンドAWDに6MT231psですから、日本人の運転技術ではちょっと手に負えないケースもあるかも。
クルマ好きの中には、アウディTTとアバルト595を同時に所有する人もいるかもしれないですが、これ1台あれば・・・いやいやそんな中途半端なモデルじゃないっす。TTのフラットな乗り味はトヨタ86、595の乗り味はアルトワークス。その中間ぐらいの乗り味って日本車には案外無かったりします。トヨタが来年にはGRヴィッツを日本で発売するらしいですが、1200kg台に車重を抑えちゃうと思われます。プジョー208GTi(1200kg)のようなガリガリ系になるはず。1360kgのS1とはクルマの意味合いが変わってきます。
Bセグボデーなりの軽い車重ならば、3速だろうが4速だろうがトップ以外ならグングン加速します。サーキットでタイムを競うのでもなければ、もう少し手応えのある車重でギア選択に神経を尖らせられるモデルの方がドライビングプレジャーは高いんじゃねーの!?ってのがアウディの主張なんでしょうけども・・・果たして日本メーカーに伝染するのか!?