Cセグって何?という人のために。1970年代頃から台頭してきたVWゴルフ、ホンダシビック、マツダファミリア(現アクセラ)、トヨタカーロラ(現オーリス)などが形成する車格を表す言葉です。ハイウェイ利用が多い欧州では200km/hで巡行でき、かつ一定レベルの衝突安全基準を満たしているクラスとして認知されていて、ツアラーとして人気です。北米市場では「スモールカー」と呼ばれどのブランドでも最も安いモデルになっているケースが多いです。アメリカでは小さすぎるということもあってDセグほどは売れません。
「見栄っ張り」と「ケチ」しかいない日本市場ではどうもこのCセグの良さが認知されにくいようで、どのメーカーもやや諦め気味です。「ケチ」に大人気のプリウスがCセグサイズに大きく横たわっているので、世界基準で作られたCセグはなかなかプリウスを押しのけて売るのが難しい状況になっています。そんな「完全アウェー」な市場にこそ大きなチャンスが眠っているのでは!?と考える気の触れたメーカーが、懲りもせずに意欲的なCセグを発売しています。その中でちょっとブレイクスルーを予感するモデルを5台紹介します。未発売モデルを含む。
第5位 メルセデスCLA
え!?これCセグなの!?「見栄っ張り」が多いなら、Dセグと同じくらいまで伸ばしてしまえばいい。そんな単純明解な戦略で、まるで当てつけのように全長4645mm。ドイツのライバルブランドのDセグ車と全く同じ数値にしてます。ちなみにメルセデスCクラスはベースグレードだと4690mm。その差はわずかに45mm。しかもFFのCLAとFRのCですから、キャビン内部の広さは逆転してるんじゃないの!?と思ったのですが、下克上をはっきり感じることはできませんでした。まあCクラスくらいの使い勝手にして300万円台でばら撒けば、メルセデスのネームバリューで十分に売れる!!という大雑把な戦略がそのまま上手くいってます。
月に1回ヘアカットに八王子まで出かけていくのですが、一軒家のタイトな駐車場にこのCLAが収まってます。世界で一番ネームバリューが通用するあのメルセデスが、日本の庶民(失礼)の身の丈を考えて設計してくれた!!ってだけで日本のユーザーは感動してしまうよなー。メルセデスもBMWも日本メーカー以上に日本にぴったりの車を作ってくるのが人気の秘訣なのだと思います。レクサスは港区の住民のことしか考えていない!?しかし港区には輸入車ばかりが走っている。実際にレクサスが多いなと感じるのは所沢(埼玉県西部)あたりです。信用金庫の狭い駐車場にレクサスのSUVを大変な思いして停めてる。このメルセデスCLAは「見栄っ張り」で「ケチ」な日本のユーザーをうまく取り込んだ最初のモデルとして歴史に名を残すのでは!?
第4位 ホンダシビック
ホンダは気がついた!?プリウスの真似をするのではなく、CLAのようにソツなくやればいいということを。欧州ではディーゼルやハイブリッドで走っているシビックですけども、「見栄っ張り&ケチ」な日本市場ではCセグ以下の車格ならば、シンプルなガソリンターボで十分なのかも。とにかく少食で立派に見える車を適当な価格(300万円?)で売ればいい。下手に自然吸気Vテックにこだわってガソリンをガブ飲みする2.4LのK24Wで出したらダメなんでしょうね。
K沢さんは『絶対に売れない』と言ってますけど、ホンダにしてみたら「そんなことはわかってよ!!」余計な御世話だって。世界のどこに日本市場でトヨタから完全勝利できるクルマを作れるメーカーがあるんだ!?ホンダ以外にそんなメーカーは存在しないのです。言うなれば、トヨタ車以外は「絶対に売れない」がスタートラインなんだよ。だってカーメディアがクソでメーカーの個性すら全く理解しない素人大衆な市場ですから。
それと同時に「ハート」があるクルマがそこそこ売れる市場でもあるわけです。アルピナやアバルトにとっては日本は天国。一度捕まえた「本物」のファンはトヨタに戻っていくことはまずないですから。K沢さんも自動車評論家の端くれだったらさ、「絶対に売れない」ではなくて、新型シビックがCLAなどの先行したモデルから何を学んでいるか!?をわかりやすく指摘すべきじゃないですか!? でもオッサンカーメディア論壇においては欧州車と日本車を同じ土俵で語るのはタブーなんでしょうね・・・。
昔のシビックに比べて価格は2倍。なのにエンジン(1.5Lターボ)は、メルセデスCLA45AMGやBMW・M2に比べれば無味乾燥で色気が全くない!!・・・そんなゴミみたいな扱いされてますけども、安全性、使い勝手など諸々を考えたら相当に納得できるパッケージです。おそらく「総合力」ならCセグで世界最強と言ってもいいはず。なにせアメリカ市場では絶対王者ですから。
ディーラーで「これがシビックです」と見せられると、Cセグにしては大きいけども、上のクラスとはまた違うかな!?3シリーズと同じくらいの大きさでまあこんなもんかなー!?って思いましたが、先日東京MSで人混みの中から現れたシビック・セダンの後ろ姿を見て「アコードの新型!?」と錯覚しました。なんだかんだ言ってCセグ/Dセグの壁を突き破って「サルーン」と形容されるに十分なスタイルだと思いますね。CLAと接近した価格設定の中で、どれだけ「見栄っ張り」を取り込めるのか!?3月が楽しみだなー。
第3位 VWゴルフ
2013年に自動車業界を引っ掻き回したVWゴルフ。VWというメーカーはよくも悪くも「時代遅れ」という形容がぴったりのメーカーです。ルノ・サンクをパクってゴルフを作り、フォーカスに完敗したのちにその設計もパクった。それがVWゴルフの歴史です。Cセグは日本では人気がない。真似しかできないVWでは、どう考えても日本でぼったくり価格で通用するクルマは作れないだろ!!試して見たら「ほぼ」予想通り。ちょっと気になることをブログにちょくちょく書いたところ、ものすごい勢いで批判コメントがやってきました。それが2015年の事件でパタリと止み、あれだけ調子に乗っていたゴルフ信者の皆様は当時の「アホさ」に恐縮しているのだとは思いますけども・・・。
でもそれってVWが悪いわけでも、ユーザーが悪いわけでも、もちろん私が悪いわけでもないです。全ての誤解の元を生み出したのはカーメディアです。敬称無しの名指しで恐縮ですが、福野礼一郎、岡崎宏、木村好宏の3名は全くの無知なくせに大風呂敷を広げたから悪いのです(この3人は思い当たる節があるはず)。その挙句にトンズラかい。最初からVWの本質を正しく伝えなかったのが悪い!!そう思うわけです。ユーザーはど素人です。クルマの良し悪しなんて乗ってもまずわからないでしょうから、中にはVWゴルフを絶賛することもあるでしょう。前に乗っていたbBより全然いいぞ!!って。しかしこの3名の一流評論家ならわかっていたはずです。このゴルフのポジションがどんなものなのかを!!
昔の話をずっとしていても仕方ないです。2013年発売の7代目ゴルフがビッグマイナーチェンジを受けました。フルモデルチェンジなら2017年基準違反で日本から弾き出されるはずの1.2Lターボが放置されたのは残念ですが、これも年明けには新型の1.5Lターボに変わるらしい。ダウンザイジングの旗手VWに対して、敢然と反論して圧縮比勝負に持ち込んだ某日本メーカーがありましたが、あっさりと負けを認めて圧縮比へと舵を取り直したリベラルな戦略がVWの素晴らしい点なのですが、日本のクソメディアはその事実すら「捻じ曲げよう」とするわけです。福野、岡崎、木村の諸氏の今後の活動に大いに注目したいです。
年明けには新エンジンに変わり、今回のマイナーチェンジでアウディと同じメーターとナビ画面が一体化したパネルがハンドル奥に据えられます。2013年には純正のナビさえ用意されずに、多くのユーザーがオンダッシュに社外品をつけてましたが、この4年間で着実に「日本市場にふさわしい」クルマへと進化を果たしています。価格も249万円〜と抑えられていて、現状ではシビックよりも安く購入できます。1.5Lの価格が気になりますが、300万円前後で抑えられるならば、買いじゃないでしょうか!? 手を変え品を変えCセグを売るというよりも、伝統のあるべき姿で正常進化して現状打破に挑むゴルフにちょっとカタルシスを感じるこの頃です。
第2位 マツダ・魁コンセプト
マツダが好きなので、やっぱり贔屓になってしまうものかもしれないですが、東京モーターショーはマツダの独壇場でした。作っているデザインの次元が違う。この「魁コンセプト」と「ビジョン・クーぺ」を見た後では、スバルVIZIVは幼稚園児の粘土細工(全く仕上がってない)ですし、トヨタGR・HVスポーツは周回遅れのパクリでしかないし、日産IMxはドラえもん世代(昭和の発想!?)の工業製品にしか見えない。もう他のメーカーが何もできねーんだなってのがよくわかる。
VWアルテオンなんて東南アジアのモーターショーで喝采されそうなローコストデザインがはっきりわかる。塗装も工作精度も低すぎる。これ本気で日本で売るのか!? それをちょっとマシにした感じがアウディA8。確かにアルテオンよりパネルの隙間が縮まっていてこれくらいが平均的な日本レベルのクルマだと思います。CR-V、エクリプスクロス、クロスビー、スイフトそれにアウディR8。どれも(日本メーカーが支配する)東南アジアデザインだな。
日本よりも圧倒的にヘビーデューティーな世界市場で、ピカピカで継ぎ目のない綺麗なパネルと塗装の曲面ラインに包まれたクルマをどうやって売るのか!?マツダの理想と他のメーカーに距離があるのは明らかなんですけども、レクサスLCを超えろ!!そこがトヨタグループで生き残るたった一つの道だ!!それが今回の東京モーターショーの隠れた魅力だったのかも。スバルはややずっこけましたけど、BMW8シリーズはLCを完全に捉えていたし、ダイハツのユーザーへの「想い」はメーカー単位では一番よく伝わったよ!!そしてマツダ。3メーカー共にトヨタのトップが好むクルマをよく考えていてしたたかです。スバルだけはアンチ章男なんでしょうけども。
マツダ魁コンセプトはアクセラの、ビジョンクーペはアテンザの原型だと思われます。現状ではSUV屋になっている状況を打破して、2018年にはアクセラとアテンザを同時リリースして世界を驚かせるつもりなのか!? どちらのデザインにも共通して言えることは、クルマという工業製品を進化させるために、スティーブ=ジョブスにヒントを求めた!?新しそうで実はすでにビジネスでは古典的な部類に入る手法を用いています。マツダ車がアップル社製品のように世界で愛される・・・その下地はRX7の時代から地盤を作りつつあるわけですが、いよいよ大きく「軸」が変わる変革の時代がやって来るのか!?K沢、福野、岡崎、木村が一言も口を挟む余地もないほどにマツダが世界で熱狂的に受け入れられる時代がやってくる可能性はゼロじゃない・・・。
第1位 ルノー・メガーヌ
CLA、シビックの「方法論」は素晴らしいし、ゴルフも次期アクセラも非常に期待できるわけですが、やっぱりCセグってのは「サブカー」なわけで、家族全員が乗るよそ行きの高級セダンや高級SUVを補完する普段の足として、もっとトリッキーなクルマであってもいいはず。もちろんCLA45AMG、シビックtypeR、ゴルフGTI/Rが用意されているわけですが、それよりも割安に買える面白いGTツーリングカーに仕上がっているのがメガーヌ。
ゴルフにも同じことが言えるのですが、ルノーでは弟分のルーテシアが高速道路利用も可能な走行性能を確保してよく売れています。VWもルーテシアと同格のポロをいよいよ3ナンバー化したモデルを発表しました。実車をみたところ、おそらくほとんどの人がゴルフと見分けがつかない!?というくらいに立派になっていて、ゴルフのリーズナブルな要素はポロが引き受けることになるようです。
Cセグの立ち位置の変化は今に始まったことではなく、メルセデスは真っ先に察知してCLAをプチブレイクさせましたし、ゴルフのセダン版とも言えるアウディA3セダンもよく売れました。ドイツブランドがやっと見つけ出したブルーオーシャンですが、北米王者シビックの凱旋と、次期カローラに北米バージョンが投入されることで一気にレッドオーシャンに変わる!?
そんな刹那に、ドヤ顔で4WS(GTグレードのみ)を持ち込んでくるルノー。台数を捌くだけがクルマ作りじゃない。メーカーとしてその存在価値を「証明」することが必要であり、そんな危機意識を常に共有していると市場に示すことがこれからの険しい展開が予想される自動車業界で必要なんだと思います。ずっと危ないと言われていたポルシェもロータスも倒産しない。それどころかアルピーヌやTVRが復活を果たしています。
EVシフトがどーだとか、政治に振り回されて、その挙句に裏で汚いことをやるメーカーがドイツでも日本でも次々と見つかってます。ユーザーの方を見ずに、国土交通省や連邦議会、欧州議会向けに政治活動ばかりに熱心なメーカーをユーザーが総スカンにしてもいいんじゃないの!? まるで接地感がないクソみたいなクルマをスポーツセダンと称して売る某大手メーカーとか思いっきり干してやればいいのに・・・。