「キミのブログ読んでいるけど、VWに対する指摘(悪態)はちょっと的外れだ。あのメーカーは技術的なアプローチはたくさん持っている。そもそも欧州市場での支持の固さは、日本市場へ展開しているモデルだけでは到底に説明できない。VW、シュコダ、セアトの三位一体が生み出すアイディアは、日本メーカーのアイディアが幼稚に思えるくらいに豊富だよ。その手数によって日本メーカーは欧州市場から弾き出されたんだから。欧州の半官半民の政府系メーカーの経営は素人にはわからない難しさがあるんだよ。騒動だって結局は内ゲバという話だし。」
恐れ入りました・・・リアルな知人に思わぬ反撃を喰らいました。もうグウの音もないです。フォルクスワーゲンは素晴らしいメーカーなんだと理解できる環境にない「井の中の蛙」な日本のユーザー。世界は広いんだぞー。ハイハイ、私たちはトヨタと官僚が作り上げた世界一閉鎖的な市場の中で偉そうにクルマを語っているバカです・・・認めます。トヨタやホンダの技術がすごいと思っていても、実際に欲しいクルマなんてないじゃん。どうせポルシェ、アルファロメオ、ジャガーが欲しいんだろ。ハイハイ、おっしゃる通りでございます。でも気軽に買える新車価格ではないし。そんな日本のクルマ難民の為に世界のフォルクスワーゲンが、はるばる届けてくれた素晴らしいクルマを紹介しよう!!
第5位 ゴルフGTI(389万円〜)
VWの象徴と言えば『ゴルフGTI』だと思います。これまで乗ってみたVW車でもっとも感触が良かったのも、とてもベタですけど『ゴルフ7・GTI』です。389万円はもはやちょっとした「スペシャルティ車」の価格ですけども、とにかく乗ってみればなんだか納得してしまいます。直4ターボ220psのユニットに特筆すべきものも無いのですけども、街中のひと区画を軽やかに立ち上がるだけで、商用車みたいな風貌からは想像できないような『余力』を発揮します。日本の一般道はこのクルマにはあまりにも緩すぎるわけですが、それでも1秒に満たないくらいのアクセルの踏み込みにも律儀に反応するエンジンとミッション。
このクルマはディーゼル化しちゃダメじゃ無いか!?欧州ではGTDが主流らしいですけども、それはここでオススメするGTIとはおそらく全然別の乗り味のはず。DCTとの相性を考えたらガソリンターボのGTIがベター。CVTでエコに走る日本の小型車では、ここまで小気味いいレスポンスは出さない。むしろ無用な回転オーバーはCPUがカットするので、すぐにアクセルを戻すと、もうエンジンは知らんぷりします。アクセルの重さとか遊びの量にもよるんでしょうけど、ゴルフGTIの「仕立て」から考えるに欧州には運転が好きな人が多いんだろう。
DCTだから素晴らしいという意見もありますけど、アルファロメオやルノーのDCTはとりあえず実用に耐えうるシロモノですけど、動きにぎこちなさが残る「初期型DCT」ですし、メルセデスのFF車はDCTの粗雑な繋ぎをトヨタ流の「ソフト」なシフトタッチで包んだユルユル系で、これにはさすがに乗って10秒で「ダメ」だって思いましたよ。メルセデスのレベルを考えると、CVTが嫌いって人と同じくらいにDCTが嫌いって人がいてもおかしくないんですけどね。ただしゴルフGTIに使われるDQ250という6速タイプのDCTの仕上がりはいいですね。
日本市場の直4ターボ(1.5L以上)で小ぶりなクルマを探すと、日産ジューク(242万円)、ホンダシビック(265万円)、ホンダジェイド(253万円)、スバルレヴォーグ(282万円)といったところですが、どれも決め手に欠けますよね。まあ「シビックで十分」という人はそれでいいと思いますけど。もっと全速域に置いてエンジンが苦しくならない走りを求めるならば、やはりターボとはいえ2Lの排気量は確保しておきたいところ。高速道路のロングツアラーを考えると、2L未満だとエンジン音で体調が悪くなりますから。他に検討するとしたらスバルWRX・S4(336万円〜)なんですけども、FFとAWDが対峙すると、まあ例外なくFFの方が走りが楽しかったりするわけですよ・・・。
第4位 ザ・ビートル(234万円〜)
デザインだけで「VWが通りますよー」ってアピールできる存在感抜群のクルマです。価格も手頃な割に、インテリアもこのブランドに似合わないくらいによく作り込んである。確かに強調できるところはエクステリア/インテリアのセンスだけの「出オチ」なクルマなのですけども、実際のところ世の中そんなクルマばっかりだ・・・まだ「オチ」があるだけマシかも。
ザ・ビートルだけでなくフィアット500、MINIみたいな「復刻デザイン」のリバイバル車ってのは、作り手も買い手も「狙い」が明確ですし、イメージと現実のギャップも少なくなるようにかなり配慮されています。抜群の加速性能などなくてもユーザーは納得しますし、場違いな性能なんて誰も求めていないですし。それでも昔はこんなデザインのクルマでレースしていたわけで、ちょっと「場違い」なユニットを積んだモデル「ザ・ビートル・2.0Rライン」(345万円)まで用意されています。
MINI・JCW/クーパーSやアバルト595も同じことが言えますけど、出力に対して決定的にホイールベースが足りていないので、アクセルオンですぐに姿勢が乱れます。もうそこまでが「狙い」の企画なのか!?おそるべき欧州自動車産業。ゴルフGTIと同じエンジンで40万円も安いのはちょっとラッキーな気がしますが、GTIはVWのアップデートされた実力を発揮するモデルなので、LSDなど走りを破綻させない工夫がされています。長い伝統がある老舗ブランドだからこそできる細かい作り分けは、まだまだ日本メーカーには立ち入ることができない領域です。オリジナルのビートルこと「タイプ1」が日本で発売された1952年には、ホンダ、マツダ、スバルの4輪はまだ存在すらしていなかったですし。
第3位 ハイアップ(193万円〜)
ベースモデルのアップは158万円〜
ライバルはダイハツ・ムーブ!? VWの入門モデルであるアップの高級版であるハイアップは面白いクルマです。「工業製品」としてユーティリティやデザインから判断すると、日本の軽自動車のレイアウト/配分そのままの設計に、ドイツのタフで重厚な足回りに、アメリカの機能性の高い操作系(ハンドル&ペダルは別)、イタリアのハイセンスなインテリア。それらを適材適所に用いた国際色豊かなクルマ。
日本車の使い勝手が良いのはわかる。しかし乗っていて気持ちが盛り上がるか?どうか?ってのは、人生を実りあるものにするためには重要なファクター。トヨタ、ホンダ、日産をはじめ日本の量販車はどうも「やっつけ仕事」な雰囲気が見て取れる。見えない鈍感な人はある意味で幸せだと思う。5年や10年は乗り続けるクルマが、人生に大きく彩りを与えるって考えるなら、多少割高だけど輸入ブランドを選ぶ価値があると思う。そう考えるならば・・・VWならこの「ハイアップ」は毛色が違う。
ドイツ車がドイツ車であることの欠点を徹底的に反省してブラッシュアップされてます。最近好調のメルセデスみたいなアプローチです。このセンスがVWの日本向けモデル全てに導入されたら結構大きな地殻変動が起こりそうな気がする。他のVWモデルやアウディ、BMWが「なんかダサいかも」って思えるセンスが光る一台です。
第2位 クロスポロ(279万円)
VWラインナップにおける、「先進性」「復刻」「ハイセンスインテリア」を象徴する3台を紹介してきましたけども、やっぱり欧州の大衆ブランドのクルマは「素朴」であってほしい。クルマ好きなら誰しもが頭の片隅に思い浮かべているであろう田園風景の中をコトコト走るフィアット・パンダやルノー・サンク。これこそが欧州車の原点。そういう意味で、VWの決定版となるモデルが「クロスポロ」。なんだか相棒としてずっと手元で可愛がりたいフォルムしてます。
確かにコンパクトSUVは、日本メーカーが得意とするジャンルであり、ヴェゼル、C-HR、CX3など満足度が高いモデルが揃っているから、このジャンルのクルマが欲しいけど「クルマ難民」とかいう人は、よっぽどの変わり者ではあると思います。しかしそんな少数派の彼らの想いもわからないでもないかも。日本メーカー車は、心に染み渡るコンパクトSUVとして受け止めるには少々「小狡い」ところが目に余るから。
日本のコンパクトSUVに共通して言えることだけども、ファミリーユースを視野に入れたキャビンスペースだったり、運転に関係ない機能が満載で、あまり走る気にさせてくれないインパネだったり・・・『このクルマ誰得!?』『やっぱり高齢者向けか』などと考えさせられることも。老人ホームの手すりに使われてそうな柔らかい色合いだったりしてさ。俺のセンスはまだまだ枯れてないぞー!!って言いたくなる。
第1位 新型ポロ(価格未定)
別に現行のゴルフがデカくなりすぎたなんてちっとも思って無いですけども、この膨張色がイメージカラーとなった新型ポロは、まるでゴルフと見分けがつかないくらいに立派なサイズに見えます。VWの新世代エンジン・・・とは言ってもEA211を、1.2L/1.4Lの作り分けから、1.0L/1.5Lへと変更したものですが、これが搭載されるようになり、『ポロGTI』にはゴルフGTIと同じ2LターボのEA888が使われるらしい(ラリーでもやれってことか!?)。
当たり前ですが、ゴルフよりもいくらかホイールベースが短く、非MQBの安定志向に振っていない小型車用シャシーですから、ゴルフGTIの3~5割増しなエキサイティングな走りが想像できます。しっかりと3ナンバー用へワイド化されているので、その分はFF車特有のトルクステアはかなり抑え込めるでしょうし、35kg・mを超えるハイトルク仕様でも、横滑り防止装置の進化で実用に耐えられるレベルになるのか!?すでに同じシャシーでアウディS1とかいう「トンがった」モデルも発売していますから、その辺の心配はいらないでしょう。むしろ大いに期待すべきでは!?トヨタGRがヤリスのスーパーチャージャーを400万円前後で売るつもりらしいですが、300万円台前半の価格設定は魅力!!2018年最大の目玉になる可能性も!!