日本の大手メーカーで一番走りにこだわった「ピュア」な存在といえば!?・・・マツダ。多くのカーメディアはそうつ伝えるかもしれないですけど、ロータリーを廃止した2012年以降のマツダって決して「ピュア」な存在ではなくなってきていると思います。クルマの仕上げはなんだか「厚ぼったく」なってますし、それに加えて注目を集める「厚化粧」っぷりですから、まるで何かを都合が悪いことを必死で押し隠しているような感じ。
デザインのインパクトを武器にクルマの本質を押し込めてしまっている!?何が言いたいかというと、「走り」の質がユーザーには全く伝わらないブランドになってないか!?ってことです。マツダがいなくても、まだまだ「ピュア」なクルマは作られてますよー。マツダよりも規模が大きいメーカー限定で、「ピュア」なモデルを5台選び、グダグダと選考理由など書いて見ました。暇で死にそうだったら読んでみてください。
第5位 トヨタ86/スバルBRZ(262万円〜)
ピュアなのかプアなのかよくわからない部分もありますけども、このクルマは企画の最初から「クルマ難民を救う!!」という真っ当な正義を掲げていましたし、実際にこのクルマで救われた人もかなり多いので『ピュア』と認定したいです。どこぞのメーカーのシェアが40%超もあるから難民が発生しているのでは!?という指摘はさておき、確かにシンプルで個性が冴え渡るいいクルマ作っちゃいました。これでちょっとスケベ心を出して、リトラクタブル・ハードトップとか備えていたら大失敗していた可能性もあったと思います。
スバルのインプレッサをFR化しようという企画は、このクルマと同時にもう一台ありました。それが『WRX・S4」で、こちらはフルタイムAWDを装備してトルクをリアに多く流すというユニークな企画で、同じ縦置きFFを作るアウディとの違いを打ち出しました。アウディクワトロは日立製のFF優勢オンデマンドAWDに切り替わっていて、通常時はFFで走りますが、WRX・S4は通常時もRWD優勢で走ります。狙いはコーナー立ち上がりでのコントロール領域の拡大なんですけども、振り回すにはプロ級の腕が必要。
同じインプレッサベースで同時期に出てきた新企画のスポーティマシンですが、販売面でも影響面でも86の完全勝利でした。おそらくトヨタブランドでWRX・S4を売ってもそれほど大勢に影響はなかったと思います。それくらいに素人の腕では、ファーストインプレッションが違いすぎる。安定志向のS4に対して、やたらピーキーな86。180度違うクルマです。
第4位 シトロエンC3(216万円〜)
日本市場で存続できるのか!?くらいに思われていたシトロエンですが、自信満々に送り込んできた新型モデルの独創性が凄まじいことに。2009年くらいからグローバルでの販売台数も危機的な状況にあったようですが、その危機感を見事に味方につけて、素晴らしいクルマを作ったんじゃないでしょうか。かつてのマツダのGGアテンザのようだ!!もうここまできたら怖いものは何も無い。そこまで追い込まれた時の自動車ブランドはやっぱり違いますね。ランドローバーもボルボもアストンマーティンもフォードに捨てられた後に見事に復活しました。
フランスの大衆ブランドですけども、ここまで「個性」を突き詰めると、もうスーパーカーの隣に停めても余裕でしょ。現在考えられるクルマの理想的なデザインの一つを見事に描き出してしまっています。日本メーカーももっとハングリーな状況にならないとこんなデザインのクルマは作れないと思います。もうリアシーが多少狭くても気にならない!!とか思っていたら、これが結構広い。キャビンスペースの達人トヨタの5ナンバー車よりもゆとりありますね。200万円台前半だから内装は期待できないだろう・・・いやいやオシャレにまとめられていますよ。余計な機能はついてないですけども、内装がちぐはぐなものが多い、日本車やドイツ車とは違う!!フランス車をナメるな!!クルマ作りの姿勢がとてもピュアです。
第3位 BMW2シリーズクーペ(503万円〜)
あまりにもピュア過ぎて、BMWファンの視界にも入らない!? 6シリーズやi8などの上級モデルは顧客からいくらボッタくってやろうか!?だけを考えて作ってるのかもしれないですが、あまりに色々な要素が『渋滞』していて、その美的センスがちょっと理解不能なクルマになってます。そういった煩わしい部分を全部取り払ったBMWといえばやっぱりこの「2シリーズクーペ」じゃ無いですか!?
もう少しフロントデザインにセンスがあればもっといいクルマだなーと思うんですが、あの顔面がどうも野暮ったい。トヨタ86にも同じことが言えるけど。その辺の不器用なところも含めて「ピュア」といっていいのかも。案外トヨタと同じくアフターパーツをたくさん買わせよう!!という戦略なのか!? とりあえずフロントバンパー部分を「別パーツ」だと強調できる小洒落たものに変えたいかなー。
第2位 MINI(230万円〜)
日本ではすっかりドイツ車が幅を効かせているので、「アウトバーン」で安定して走れるクルマこそが欧州車の美徳と理解されてますが、最近の日本車に失われている「ピーキー」な運動性能を持つ小型車こそが欧州の本質だと思いますね。もっとも2000年以降のクルマに関しては、アウトバーン的なクルマが欲しかったらVWやBMWではなくて、ホンダやマツダを買うべきだと思います。直進安定性を誇るクルマは今や欧州ではなくて、アメリカ市場で売れているクルマの方が上回っていますから。
そんな欧州車の矛盾に気がつき始めた日本市場で、ここ数年で急成長したのがMINIブランド。最大の魅力は「アンチ・大手メーカー」的なクルマ作り。実際のところこのブランドこそが東洋のジャガーことマツダの最近の堕落に対する最大のアンチテーゼです。マツダに失望してMINIへと乗り換えた人は結構多いのでは!?かつてのマツダのハンドリングが好きだった人には、このクルマの良さは一発でわかります。
第1位 ホンダS660(198万円〜)
ホンダとしては団塊世代引退を踏まえて「置きにいった」クルマなのかもしれませんが、「ホンダは他社の真似をしない!!」という創業者の金言が守られた結果、中途半端な引退世代を寄せ付けないくらいのピュアなクルマになりました。マーケット的には大失敗でおそらく後継モデルも作られることなく、CR-Zのように消えて行くのかな。
惜しむべくは、買う側が全くホンダのレベルについていけてないこと。CR-Zにしても他のメーカーが全く考えていないタイミングでハイブリッドのスポーツカーを作ったことに意味があります。しかも3ナンバー枠まで車幅&トレッドを拡大しつつ、バッテリーを搭載してもなお1100kg台に抑え込んで『スポーツカー』だと主張したところにホンダの最大の魅力が潜んだモデルでしたが、買う側が全くついてこなかった。それ以前に評論家連中がこのクルマの良さを理解できていなかった。MTのハイブリッドなんて世界のどこにあるんだ!?
CR-Zの凄さを理解できた優秀なユーザーを救うべくホンダが用意したモデルがこのS660といってもいいかも。HVスポーツはもう飽きたでしょ。FFから今度はRRに乗り換えたらどうですか!?ライトウエイトに限らずスポーツカーはトラクションが命。横置きエンジンばかりをラインナップするホンダの都合も多分にあるのでしょうけども、大手メーカーでスポーツカーに一番真剣に向き合っているのはやはりホンダだなーと思いますね。2000万円超のNSXでは、横置きエンジンではサスペンションに制約が出るとかで、あっさりと縦置き化するこだわりを見せています。レクサスLCやBMW8シリーズはなんでミッドシップじゃないのかな!?
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