『ゴルフの巡航性は・・・』
VWゴルフといえば、福野礼一郎さんがすぐに連想される。2013年頃には「ゴルフ最高」とカーメディア業界で飯食っている人の8割くらいが言ってたけども、紆余曲折があって多くのライターが気まずそうにする中で、2018年の今も真顔で「ゴルフ最高」と言い続ける人が福野さんだ。多くの気まずい想いをしたライターは、過去のレビューの中でVWのエンジンを「世界最先端」だと絶賛していたが、今ではすっかり穴があったら入りたい気分だろう。
『マジでその中でもトップクラス・・・』
ゴルフ7は『神』だと言い放った福野さんは、エンジンに関しては絶対に褒めなかった。このユニットがどの程度のものなのか、そしてこれまでVWグループがエンジンに関して幾度となくモラルが低いことをやってきたこともわかっていたからだろう。木村好宏(ルボランなど)みたいに「状況」が未だにわかっていない輩もいる。
「木村好宏 の新型ゴルフ記事がイタ過ぎる!!」
『疲労度は1000万円クラスのFクラス・サルーンと・・・』
VWが大炎上しようとも、ビクともしない福野節。今改めて「福野礼一郎の晴れた日にはクルマに乗ろうvol.1」「福野礼一郎のクルマ評論2014」の2冊、いわゆる福野さんがゴルフ7について徹底的に書いた二大レビューを読み返してみると、見事なほど破綻していない。サブタイトルで「全人類ほぼ敗北」と書いているのに、(エンジンは)1.4は1.2よりトルク4割増しなのに全然良くない・・・とか書いてます。これはスゲーな恐れ入りました。
『ほとんど大差がなかったのだから・・・』
ゴルフ7を絶賛したライター連中の中で、VW事件後に株を上げるってさすが「レジェンド」です。もう5年も前のことなので何も覚えてないですが、エンジンは絶対に褒めないけど、エンジンマウント技術を最大限に絶賛しています。え!?嘘だろ。よくよく読んでいるとパッケージ効率は先代(ゴルフ6)より低下しているとか、適切にレビューされています。内容はあまり褒められていない。『神』『全人類ほぼ敗北』『史上最高のクルマ』といった見出しばかりが強烈。
『全人類敗北とは・・・』
今となってみれば、いくらでもエクスキューズがあるわけです。福野さんは最初からブレていない。あくまで『常識の範囲内』で神であり、全人類ほぼ敗北、史上最高のクルマですって言われたらそれまでだ・・・。その常識の範囲内には、フェラーリもポルシェもいないし、プリウスもリーフもいない。VW、ルノー、PSA、オペル、欧州フォード、マツダ、スバルに、メルセデス、BMW、ボルボを加えた『島宇宙』の中での評価ってことなんですね。当たり前のことですが・・・。
『嘘でもなんでもない・・・』
『モーターファンイラストレーティッド』と言えば福野礼一郎の「二番搾り」ですけども、最新号で期待の新型VWポロに極めて厳しい宣告がされています。『島宇宙』におけるVWの序列が最上位から最下位にまで落ちたらしい。いいクルマも作るけど、とんでもない駄作が出るのもVWっぽいと思うけどね。トヨタ、日産、ホンダといった大企業ではしばしば見られること。VWグループは日本の三大メーカーよりもさらに給料も高いし、福利厚生もものすごく充実しているらしい。もちろん世界中に散らばる生産工場すべてに共通することではないかもしれないが・・・。
福野礼一郎のクルマ論2014の一節より
5年前のゴルフ7のレビューだけでなく、10年前の「世界自動車戦争論」を今読んでみても、その洞察力はまるで予言者って感じ。そんな福野さんが「これはダメ!!」って言うのだから、絶対にダメなんだろな。スバルフォレスター、シトロエンDS4クロスバック、ジープ・コンパスなど、結構な数のモデルが「血祭り」に挙げられてきた「二番搾り」で久々に犠牲車が出た・・・。VWポロの運命はいかに!?