「陰謀」か「技術的欠陥」か
結論ありきで書きますけども、2010年頃にトヨタを襲った北米のブレーキ故障騒ぎや、2014年頃に巻き起こった中国政府のVW批判、2015年のVWやBMWの排ガス問題などでも同じことが言えますけども、「一定条件」が整ってビンゴしたら、どんなクルマでも「燃える」し、「ブレーキが壊れる」し、「ミッションがいかれる」し、「排気ガスは汚くなる」ものみたいですよ。2010年頃にはプリウスは日本市場をひたすらに独走してましたし、2014年頃のVWゴルフも日本では輸入車でダントツにトップに売れていましたけど、なんの問題も起きていない。だから今BMWを買っても特になんの問題もないと思います。
急成長のタイミングで起こること
BMWが「燃える」に至った「一定条件」とはなんなのか!?これはいくつも考えられるのですけども、まず何よりもも欧州、日本、アメリカではなく「韓国」で起こったのがポイントだと思います。欧州、日本、アメリカでは完全に右肩下がりのBMWですが、韓国、中国、ASEAN地域では、驚異的な伸びを記録しています。韓国では2年前くらいに世界最大規模のBMWの総合テーマパークが作られ、あっというまに日本市場(月に6000台程度)の販売台数を大きく超えて行きました。日本と同様にそれほど需要があるわけではない中型車市場で異例とも言える急成長を遂げてしまっては、まあなんらかの軋轢はうむでしょう。これで仕事を失う人も出て来るわけですから・・・。
ヒュンダイ/キアはFRの王者になりたい!?
韓国市場がBMWを求めて買っているのだから、BMWにとっては迷惑な話ですけども、今回はあまりにもタイミングが悪すぎたと思います。韓国が誇る自動車グループのヒュンダイ・キアグループは、メルセデスやレクサスに完全に肩を並べる「一流」自動車ブランドを目指しての改革を行っている真っ最中です。エンジンこそ三菱ライセンスのGDIエンジンを改良して使っていますが、真のFRの高級車メーカーになるべく、外部サプライヤーではなかなか満足いくものが手に入らない「縦置きミッション」を系列サプライヤーのヒュンダイパワーテックで自製するようになりました。
BMWを見下す韓国メーカー!?
「縦置きミッション自製」をトルコンATで行なっているのは、メルセデス、トヨタ/レクサス、日産、フォード/GM(共同で系列サプライヤーを経営)と、ヒュンダイ/キアの5グループのみ。カーメディアでは汎用サプライヤー・ZFのミッションは変速スピード早くて燃費がいい!!とかやたらと書いてますけども、2000年代から今に至るまで、BMWがメルセデスに絶対に勝てなかったポイントの1つがミッションです。変速スピードは心なしか早い気がしますが、大問題はトルクコンバータに致命的な欠点があること。BMWに乗ってもジャガーに乗っても始動時にスムーズに繋がらない。欧州ではMTが主流なのもよくわかる。
意識し過ぎ!!KIAの北米サイトは・・・
ZFがコストもそこそこで信頼性が高いミッションを作ってくれればいいのですけども、あまり選択肢がない(ZFとアイシンAWだけ)。お手本にしている?ホンダと同じく、MT、DCT、トルコンAT、CVTを全て系列で自製でき、トヨタ、ホンダに次ぐ第三の独自フルHV開発メーカーとなっているヒュンダイ/キアにとっては、縦置きミッションの自製も当然の選択なのかもしれない。そして昨年にいよいよドイツのプレミアムブランドと完全に対等の立場に立った32000ドル〜の価格設定のキア・スティンガーを発売。北米サイトを見ると、スティンガーGTの加速性能が、BMW440i、パナメーラV6モデル、BMW640i、アウディA5といったドイツを代表する4ドアGTクーペを超越していることをアピールしている。なぜBMWが2台選ばれている!?
因縁が・・・
BMWとしてはどえらいタイミングで韓国に大規模投資をしてしまったのが完全に仇となってしまったと後悔しているかも。日本もアメリカもそうだけど、ライバルメーカーの本拠地でのビジネスってBMWに限らず鬼門だ。なんらかの布石ってのは必要で、韓国サプライヤーとのコネクションとかに配慮すれば、また違って来るかもしれないし、トヨタとの協業関係は、今後のBMWにとって非常に現実的に深い意味合いがあるのだと思う。今回の韓国での炎上問題は、まだまだこれから続報が出てきて新展開を迎えるかもしれないけども、この1件で、BMWとヒュンダイ/キアの間には何か因縁めいたものが芽生えつつある!? BMWもヒュンダイ/キアも北米市場ではここ数年やや苦戦気味だ。片方は10ベストカーの常連、もう片方はユーザー評価でとうとう全米トップを勝ち取った優良メーカー。繁栄を続ける日本メーカーくらい軽く蹴落とす実力はありそうだが・・・。
技術的な問題は・・・
結局のところ「FRのサルーンに4気筒」っていう存在意義がいまいちよくわからない設計が、そもそもダメって可能性もある。縦置きは衝突安全基準や、吸排気、排熱などのアップデートが遅れるデメリットがある。販売台数ベースでFFとは比べものにならないくらい多いのだから仕方がないのだけども、開発リスク、衝突安全リスク、直進安定性やトラクションに起因するリスクなどなど。BMWもどうやら燃えてるのは全部FR車っぽい。ごくたまに見かける燃えてるのもジャガーだったり、メルセデスだったりFRが多い気もしないでもないな。あまり事が大きくなれば、全FR車を一旦販売停止にします!!みたいな事件が起きるかも!? 最近ではFFのBMWの方が走りがいい!!とか言ってるヤツ(清水草市)もいる。実際のところエンジンスペックは横置きの方が優れているし、強烈なトラクションも得られるので、同等のエンジンなら、車体を軽くできるFFのBMW車の方が楽しかったりする。ただし「BMWは6気筒だ!!」という頑固ジジイはFRを選ぶしかないけど。
消化器を積んでみよう
どんなメーカーでも燃えるときは燃えるのだから小型の消化器でも載せておけばいいと思う。いきなりドッカンとは来ないはず、地味に焦げ臭くなってから、火に包まれるまでそれなりの時間はある。もし近くでBMWが燃えていたらその消化器を貸してあげればいいじゃん。ショッピングモールで隣に止まっていたBMWが燃える・・・ってことは無さそうだ。くれぐれも「BMWの隣接駐車お断り!!」なんてゲスな注意書きなどないことを願う。
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