椅子取りケーム
いきなりだけど、サルーンデザインにおいてMAZDAもBMWも他のブランドを圧倒するほどの高いクオリティは持っていないと思う。よっぽど日産、ホンダ、トヨタの方がセダンという意味では気が利いたエクステリアだったりする。けれどもMAZDAとBMWへのクルマ好き/セダン好きの期待値は高い。何の根拠があって!?・・・やっぱりこの両ブランドには他メーカーの同クラス車よりも走って気持ちがいいクルマを仕立てるプライドがあるからだろう。フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、ホンダ、トヨタがとても具合のいいモデルを出してきても、その上・・・かどうかはわからないけど、少なくとも決定的な差がつけられるような失態はしない。
悲劇的展開・・・
直近のMAZDAとBMWはディーゼルに『一本被り』のようなところがあって、日本市場ではユーザーの好みが分かれてしまった。日本でディーゼルはやっぱり鬼門だったかもしれない。BMW&MAZDAの最強タッグがディーゼルに注力したからこそ日本市場にある程度の足跡を残せたとは思う。しかし何事もタイミングってのは大事だなー。まさかフォルクスワーゲンとかいうモラルハザードな半官半民企業がパンドラの箱開けてしまうとは。その間隙にやってきたホンダ・シビックは腹を括って180psのガソリンターボに、そしてTHSの決定版を引っさげて登場したカムリHVは新たなセダンのスタイルを築き上げると共に、ある程度の復権をあっさり許してしまった。シビックは絶対売れないと散々に煽った小沢コージと国沢光宏。彼らによる『アンチ誘導ステルス・マーケティング』が存外にハマったのかもしれないが・・・。
ディーゼルを支えた両ブランド
「もはやセダンは売れない」とメーカーもカーメディアも結論しているのだろうけど、シビック、カムリHV、W205型Cクラス、CLA、アウディA3セダンは予想以上に売れた。何か訴えるものがあればセダンユーザーは今でも熱く支持してくれる。アクセラセダン、GJアテンザセダン、F30も「何かしら」それなりの意欲(=ディーゼル)は載せていたのだけど、3シリーズが主流だったBMWは、X1、2シリーズアクティブツアラーへと売れ筋が分化した。MAZDAは言うまでもなくSUVへ流れた・・・というか乗用車は日本では先代からあまり売れていない。BMWもMAZDAも日本ではすっかり「SUV屋さん」になってしまった。その戦略自体は決して否定すべきではないし、これからも多くの新しいファンを獲得していくことだろうが・・・。
リベンジの時はきた
2019年はこの両ブランドにとってシビックとカムリHVにやられた過年の雪辱を晴らし、セダンシェアを奪い返しにいく年になるといいのだけど。もちろんだけど新型MAZDA3セダンと新型3シリーズの発売を控えている。・・・でいよいよこれがコケたら、どちらも日本からSUVを残して完全撤退ってことも十分にありうる。既存の売れているサルーンモデルだけではなく、新たにメルセデスはAクラスセダンを、ホンダはインサイトを日本に投入して拡販を狙っている。さらに営業力では無敵のトヨタからカローラアクシオが3ナンバー化して参入してくる。今のトヨタは侮れない。その気になれば2L自然吸気で170psくらい出す新鋭ユニットの搭載もあるかもしれない。
なぜ勝てない!?
この状況の中で国内ユーザーはMAZDA3セダンと3シリーズに何を求めるのだろうか!?この両ブランドが、トヨタやホンダに搭載ユニットの完成度でボロ負け・・・と言う信じがたい光景を見る羽目になるんじゃないだろうか!?エンジンで勝てないなら、何か日本のユーザーに「存在意義」を見せてもらいたい。どちらも現行モデルは『引退世代向け』という身も蓋もないマーケティングの上で何とか生き残ってきたけども、ディーゼル問題が起こってからは影が薄くなった。タイミングよく後から発売されたC-HRのインパクト&営業力の前に、ここ数年はBMWもMAZDAもまさかの「完封」を食らった。
共闘!?それとも・・・
BMWもMAZDAも知名度ではトヨタに負けていないと思う。そしてどちらも価格は手頃・・・とまでは言えないけど、トヨタやホンダと比べてもそれほど割高感があるわけではない。つまり単純にクルマの魅力だけで、現状ではシビック、カムリHV、C-HRに差をつけられている・・・ってことになるのだろうか。新型はどちらも一定のファンが買うのでしょうけど、現行3シリーズよりも大きくなった新型MAZDA3セダンと、4700mmをいよいよ超えた新型3シリーズの距離は接近。お互いに抱えている「走り」が好きなユーザーを奪い合う!?
値引き VS Lパケ
F30はすでに贅肉がつきすぎていた!!というストイックな「スポーツセダン」派は、リアが軽快になるMAZDA3に何か感じるところがあるかもしれない。アクセラとGJアテンザの中間を希望していた「GHアテンザ」ユーザーは、4700mmを超えてGHの領域に入ってきた新型3シリーズを無視できなくなってきた!? 200万円〜のMAZDA3と400万円〜の3シリーズが日本での価格設定なんだろうけど、いろいろな思惑が絡んで「垂直」関係でユーザーを奪い合う展開もあるんじゃないだろか!?BMWは値引き、MAZDA3は最近のMAZDAのトレンドである、Lパケのさらに上の内装グレードでユーザーにカーライフを夢想させるマーケティングを展開し、乗り出し350万円のグレードが主力になる。
エリートの挫折!?
320dの出足は上々で、アクセラXD・Lパケも今考えるとお買い得だし、近年のMAZDA車では一番と言っていいくらいに尖った存在だった。どちらも手応えはあったはずなのに、モデルサイクルが終わってみると、どーもコンセプトのアイディア不足だった気がするから不思議だ。繰り返すけど、どちらもそれぞれのブランドのここ数年のモデルとしては出足は良かった。・・・でしょーもないと言われるかもしれないけど、最初から好調なのは案外なのかもしれない。最初は「え!?これ大丈夫!?」ってちょっと警戒されるくらいがちょうどいいという説も。
先代モデル以上に好調な滑り出しか!?
振り返ってみれば、シビックもカムリHVもあまりに大味なデザインだった。CクラスもCLAもメルセデスにしては威厳が『?』だったし、アウディA3セダンはベースがゴルフであるという素性を隠そうともしなかった。それに比べてF30もBMアクセラもあまりにスマート過ぎる市場投入だったと思う。そして今回もまた・・・注目度は高い。スムーズに市場に入ってくる公算は高い。うーん何も変なことが起きなければいいけどなー。とりあえず「欲しいクルマがないー」って人はこの2台のどちらか買ってみれば!?(無責任)
「トヨタよりもBMWがイケていると力説されても・・・」
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