BMWが物足りない
近い将来にはBMWのシャシーに他社の好きなエンジンを選べる時代が来るんじゃないか!?・・・と思っていたけども、どーやらその前にエンジンの時代が終わってしまうようだ。もう一度BMWに自然吸気エンジンが復活しないものか!?トヨタの自然吸気V8が載ったスープラなんて隠し球があっても良さそうだけどなー。BMWのシャシーにGMのV8スーパーチャージャーや、日産VR30DETTなど。FRのGTカーを華やかに彩るという意味で、BMWのS55やS63は少々物足りない・・・なんてことはないけど。
きっかけがつかめていない
日本メーカーもドイツメーカーも中国でジリジリ稼ぐしかなくなっている。90年代に欧州でE46が、2007年頃に日本でE90がヒットしたのが嘘のように見る影もなくなりつつあるBMW3シリーズ。いよいよ発売される新型が、E90よりグローバルで販売が下回ってしまったF30(韓国とASEANを除く)を上回るとは思えず、BMW贔屓の日本のカーメディアもさすがに「絶対に売れる!!」とは断言できていない。誰の目にも中国発の1シリーズセダンの販売地域が拡大され、3シリーズのシェアはさらに圧迫されることは目に見えている。まさか2010年代には、「3シリーズがちょうどいい!!」という当たり前だった感覚が急速に失われるとは思ってもなかった。六本木カローラも過去の話!?
方向性を間違い過ぎている
ごくごく一般的な意見だけども、E90はタイトな乗り心地でドイツ車っぽかったけど、F30はあらゆる意味でコンフォータブルな乗り味に変わった。E90までは「ドイツ式の仕立」を感じさせてくれたが、F30は全くの「無国籍」な乗り味で誤解を恐れずに言うならばE90とゼロクラウン以降のトヨタサルーンを足して2で割った感じ。これが好きって人も一定数はいるのかもしれないし、リアシートに人を乗せるという用途においては、間違いなくF30になって進化を遂げた。しかし紳士用靴で例えると、E90に対してはまだまだ「大塚」や「リーガル」を選ぶような心境があったのに対して、F30への率直な感想は、靴に無頓着人が履いているコンフォータブブル・シューズみたいだなー。
E90オーナー
確かにE90の内装はとても安っぽくてとても高級車とは言えないし、乗り心地ももはや日本で売っているのが信じられないくらいに劣悪だったし、ミッションも縦置き用としては最低レベルの完成度で、メルセデス、トヨタ、日産に鼻で笑われるくらいの「致命的」な欠陥を持っていたのだけども、その不器用さが程よい「メカ感」を出していて、愛するオーナーの中には、これは欠点でもなんでもない!!なんて強烈な愛情を口にする人もいました。しかしこれは皮肉でもなんでもなく、今になってみると、とても健全な『名車とクルマ好き』の程よい距離感だったのだと思います。シビックEG6とかアルテッツァとかファンが多い名車はどれもE90と同じような特徴を持っていたような気がするし。
進化して売れなくなった・・・
EG6やアルテッツァは別にして、一般的に日本車のミッションはメチャクチャいいに決まっている。高温多湿&豪雪に耐えられるだけでなく、街中は信号だらけで低速でストップ&ゴーを繰り返しているのだから。同じ環境で同じように使えば英国車もドイツ車もミッションやブレーキはすぐにイカレるし、エンジンブローが起きたって不思議ではない。しかし真面目なBMWはそれを許容できずにZFと二人三脚で、メルセデス、トヨタ、日産に負けない縦置きミッションを作ってしまった。アイシンAWの『AWR8L35』やジャトコの『JR710E/711E』と乗り比べても遜色ない仕上がりになったことで、F30の乗り味は一気にクラウンかフーガになってしまった。絶望的に静粛性が足りないクラウンもどきという悪夢・・・。F30がこれまでの3シリーズの主戦場だったアメリカ、日本、ドイツ、イギリスで大幅ではないものの販売台数を減らした理由はこれに尽きるんじゃないだろうか。
自動車ブランドの境界線
日本車好きド素人による悪い冗談だと感じるかもしれないが、何度も書いてきているけどBMWはとても好きなブランドだ。少なくとも他人のブログに意味不明にブチギレたコメントをよこすヘンテコリンなBMWオーナーよりもずっとずっとBMWのことを高く評価している(と自負している)。良い部分も悪い部分も日本車の2〜3倍くらいの振り幅で抱えている。これがこのブランドの魅力。個人的に好きな自動車ブランドはどれも『振り幅』が大きい。そして「差別化」という意味でブランド戦略を考えるならば、その第一歩として『振り幅』が大きいのか?小さいのか?という選択がある。簡単に言ってしまえば、好き嫌いが分かれるか、大衆受けするかの基本的な方針を決めることだ。
アルマーニだって
例えばアパレルブランドでも、『ジョルジオアルマーニ』と『エンポリオアルマーニ』では振り幅が完全に違う。前者には『DCらしさ』を失った製品はほとんどないけども、後者はギャップやユニクロなどのファストファッションに近い形状/デザインのものが多い(もちろんファストファッションとは品質が全く違うわけですが)。前者は絶えず「前衛的」でありつづけ、後者は究極の「さりげなさ」(=ノームコア)を追求している。どちらも現代のファッションニーズには不可欠なのは言うまでもないけど。
3%に支持されるブランド
アパレルにさらなる『機能性』が、自動車には『デザイン性』が時代を追うごとに高く要求されるようになり、両者のブランド戦略にはいくつかの類似点が見え隠れする。MAZDA、ポルシェ、アルファロメオ・・・この3ブランドは『ジョルジオアルマーニ』タイプを志向している。3%の人に熱く支持されればいい!!と高らかに宣言しているところもある。日本市場と同じ水準のクルマがグローバルで年間5000万台売れるとして、その3%は150万台あまり。この台数を超えない範囲のブランドは『ジョルジオアルマーニ』路線で問題ないのだと思う。あれ?この中のどっかのブランドは株主説明会で数年後に200万台を実現するとか言ってたっけな・・・。
お手本はやっぱり・・・ユニクロ!?
これに対して400万台くらい軽く売ってしまう、VW、トヨタ、日産、ホンダ、スズキや、このクラスへの仲間入りを目指しているメルセデス、BMWなどは『エンポリオアルマーニ』タイプとして、今後はシェアを高める競争力が求められるのかなー!?という気がする。例えばアウディはポルシェとVWのグループ両極の展開と比べると、やや個性を発揮しづらい苦しい状況に置かれていて、あれだけ盤石だった中国市場の圧倒的なシェアがみるみる崩れました。アメリカでも同様にミレニアム世代への人気がイマイチらしい。ある統計によるとアメリカでは21世紀になって成人を迎えた世代(ミレニアム世代)の実に9割が製品購入の判断基準に「企業の社会的責任(CSR)」を挙げているとか。VWグループは数年前に致命的な告発を喰らってしまった・・・。
スバルの変身
このミレニアム世代への分析を受けて、アメリカ市場への依存が高くなっているスバルは、高齢者市場の日本ではくだらない不祥事に反省の色すらあまり見せないですが、北米市場では「スバルはアメリカのために頑張ります!!」「スバルは愛する人を守ります!!」みたいなアピールが定番になってきた。元々日本メーカーの中で衝突安全性で高いスコアを出す方ではなかったが、刷新されている新型シャシーのモデルでは、マツダやホンダを上回るスコアを出すようになった。日本のカーメディアはほとんど報じないけども、VW&アウディの2ブランドの北米での販売台数は、米ビッグ3、日ビッグ3、ヒュンダイ&キアに続く8位だったが、アメリカ市場にはなんのイノベーション要素も伝わらなかった「MQBシャシー」が登場してから一気にシェアを落とし、スバルにあっさり抜かされ突き放されてしまった。
アメリカ市場にNO!!と言われないクルマ作り
アメリカ市場はランクルやマツダロードスターなど個性的なシャシーを使ったクルマが根強い人気で、ある意味で日本よりもずっと深いクルマ文化を持っているわけですが、そんな市場にやっつけ仕事のモジュラーシャシーにモジュラーエンジンでは、人口の4分の1を超えるようになったミレニアム世代から「社会的に不要」と烙印を押されてても仕方ない。そしてそれとは全く逆で、イノベーションやアメリカ経済にとって意義がありそうなテスラにまさかのユーザー殺到で、投資市場が大混乱しております。同じ金満&変人社長で知られるZOZOは死にそうだけど、テスラは・・・日本とアメリカではそもそも「CSR」の定義が全然違うのかー!?いや製品のポジションが全然違うってことなんだろうけど。
BMW復活への道程
さてBMWが再び90年代に見せた魅力的な姿に戻るにはどーしたらいいのか!?8200rpmくらい余裕で回る自然吸気のパワートレーンを復活させる!!というギークの意見・・・はとりあえず置いておこう。まずは『エンポリオ』路線をやめるべきでは!?今からでもMAZDAやアルファロメオを追いかけるべきだ。そしてZFとも契約を打ち切る!!・・・はちょっとラディカル過ぎるかもしれないが、「MT」とマグナ=ゲトラグの「DCT」をほぼ全モデルに標準装備(もちろん右ハンドル市場にも!!)。高性能を誰にでも手軽に・・・とかいう極東メーカーの変人エンジニアが提唱したゴミみたいなグランドツーリングカー論は忘れて、「道具」感をもっと強く打ちだすクルマをブランドの中心にラインナップしてくれないかなー。
他の日欧ブランドも同じ状況だ・・・
あるいは本体とは切り離した別ブランドで、MAZDA、ポルシェ、アルファロメオ路線を追求するのもありかも「ジョルジオBMW」とかさ。「M」や「アルピナ」はすでにポルシェにズタボロにされているけど、このまま放って置くとアルファロメオによってトドメを刺されるだろう(MAZDAとはユーザー層が違うだろうけど)。逆にポルシェやMAZDAをぶっ潰すようなアグレッシブなサブブランドを作ってみてはどーだろうか!?アルファロメオがかき消されてしまうかもしれないが、ライバル関係があってこそシーンは盛り上がるし、色々なアイディアが出てくるんじゃないの!?ジャガーやプジョーなどさらに参戦してくるだろうし・・・。テスラや吉利汽車の台頭を止めて日独伊英仏のクルマづくりが生き残る現実的な展開はこれしかないかも。つまりBMWがキー!?
↓DEがうるさい!!しか書いてないのに不条理に荒れるコメント欄・・・BMWの美点が一つも聞こえてこないなんて悲し過ぎる。クルマの価値がわかる人に買ってもらえるブランドになることが大事だよなー
「BMWのディーゼルは猛プッシュも虚しく『妥当に』終了・・・」
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