スープラ & Z4
もっとセレブ向けのスペシャルティ・クーぺに仕上がることをを予想していたのだけど、まあそりゃそーだよな。4シリーズ、6シリーズに加えて8シリーズも発売されるBMWのラグジュアリークーペの商売を邪魔することなく、ピュアスポーツな設計で登場。レクサスも独自にビッグクーペを新造し、LSのドライバーズカー化も進んでいるので、兄弟設計となったスープラとZ4に与えられた立ち位置は、経営上は極めて妥当だ。それにしてもスポーツカーを作るために「こだわり抜いた」設計になってる。「ポルシェ911」と「MAZDAロードスター」というスポーツカーにおける2大スターに割って入るために作った。
王道で中央突破かよ!?
予想外のピュアさに、カーメディアも早速の手のひら返し・・・あまりに意外な展開だったのか多くのライターが、この「歴史的意欲作」をごくごく正しい方法でその価値を評価できないままの不可解なレビューになってしまっている印象。もっとも伝えるべきは・・・この新型スポーツカーが、911、アルピーヌA110、ヴァンテージなどと比べて一体どれほどのレベルまで「走り」が追求されているのか!?ってことを各自の視点でまとめることだけれども、どーもカーメディアの反応は「そのレベル」との比較にまでは至っていないようだ。とりあえずトヨタとBMWが、結構真剣に謀議をした結果、2シーターでホイールベース2470mmという「黄金律」を狙ったお手本通りのピュアスポーツが誕生した!!という事態の重大さにまともに反応できているカーメディアがほとんだ無い・・・日本ってやっぱり終わってんな。
まさか・・・
この設計は只者じゃない。ピュアスポーツから、顧客の使い勝手に合わせる形で、徐々に逸脱しつつあるポルシェ911シリーズへの「アンチテーゼ」としても十分に機能するレベルだ。それと同時にマツダMX-5やアルピーヌA110のように、ターゲットのユーザーを極大まで広げるために、あえて小型のユニットの搭載に留めて(妥協して)、ライトウエイトと称する「軽量化詐欺」でクルマのバランスの帳尻合わせをしているメーカーもちょっと気まずいよなー。さらに純然たる改造車に成り果てたフェアレディZの堕落・・・等々これまでのカーメディアやクルマ好きがそれなりに「是」としてきた、2019年現在に至ってすっかり歪んだものになって違和感と疑問しかなかった、カーメディア的う世論による「スポーツカーの価値観」を、まさかよりによってトヨタとBMWのタッグによって叩き直されることになるとは皮肉なことだ。○菱自動車やフォ○クス○ーゲンが「法令遵守」を率先して謳うみたいなもんだな・・・。
宝石の輝き
2400mm台という「黄金律」を踏み外すことなく、スポーツカーのフォーマットでGTカーを作って来たメーカーといえば、ポルシェ、ジャガー、MAZDA、アストンマーティンであり、これらのブランドが掲げる「理想」は長らく守られてきたけども、世界の高級スポーツカーユーザーの趣味趣向が少しずつ変わってきて、911もロードスターもアメリカでは女性が買い物で乗るクルマってな位置付けに。プラダとかシャネルと同じようにポルシェやMAZDAが消費されている。
私刑
フェラーリ488、マクラーレン720S、AMG・GT・・・セレブライフを彩るためのスーパースポーツは世界的に売れている。そしてスーパースポーツでもピュアスポーツでもない不思議なスポーツカーもどきの領域があって、ラグジュアリーに振るために2700mmくらいまでホイールベースを延長して見かけはスーパースポーツなんだけど、搭載エンジンはその辺の量販車と同じ直4とかいう「なんちゃって」なスポーツカーであり、その代表格が先代スープラ、86、先代Z4、メルセデスSLK、ジャガーFタイプ・・・だったりする。まあ何もクルマについてわかってないオッサンからテキトーに金を巻き上げるクルマを作るのも売るのも自由だ。法律に違反している訳でもない。しかしこれらを・・・妥協することなく「理想」を追求して来たポルシェ、MAZDA、アストンマーティンと同義に語ってしまったカーメディアや、MAZDAなどにナメた態度をとるアホなオッサンには「私刑」を喰らわせたくなる。
絶対に理解できない人々
俺のブログにクソコメントを寄こしたことがあるBMWブロガーは、自身のブログ記事で「Z4、ボクスター、NDロードスター」を比較して、「NDは価格の割に頑張っているけど、まだまだドイツ勢には及ばない」とか書いてたけど、及んでないのはZ4やボクスターの方だって認識はないんだろーな。ポルシェの担当者はボクスターの中途半端なスポーツ性能を指摘され「これはプロムナードカーである!!」とうそぶいたし、新型Z4はいよいよBMWの危機意識によってNDロードスターの影くらいは踏めるスポーツカーへと進化したようだ。・・・作法も審美眼もわきまえないクソが、生意気なコメントを放り込んでくる。そんな日本のオッサンは終わってる。文化理解に努めようとしないで、クルマブログなんて10000年早いよ・・・さっさとくたばれ。
1人の本物と59人のボケ
そんな文化理解がボロボロのオッサンが日本で量産されてしまう原因は間違いなくカーメディアにあると思う。日本COTYの審査員のうちで山内一典さん(グランツーリスモの人)以外の59人のコメントには失望した。クルマへの愛とか、クルマ文化、ユーザーへの想いとかよりも、自分の「ポジション」が大事なんだろうな。「(こんな安いクルマに乗るつもりはないけど)お年寄りや女性にとってはいいクルマなんじゃないの!?」・・・プロ意識低すぎじゃないですか!? はっきり言ってテメー(審査員)の素性なんてどーでもいい(興味ない)。自身がどれくらいの価値の人間なのかをいちいちコメントに入れてくんじゃねー。レビューする対象がスーパーカーだろうが軽自動車だろうが、等身大のユーザーに憑依して書けばいい。究極的な話をしてしまうと、クルマの金額なんて全く気にすることなくレビューするべきなんだよ。
金額とか関係なくスープラは「金字塔」になる
BMWもメルセデスも日本市場への割り当て分を売り切るために大幅に値引きするようになった。それによってクルマの評価が変わるってのはおかしい。500万円のCクラスが、未使用300万円で売られていたからって性能が変わるというのか!?価格が崩れても、FFになっても素晴らしいBMWってのはある。山内さんのBMW・X2へのコメントは見事に憑依していたよ。フェラーリだって余裕で買えちゃう金持ちだからこその余裕のコメントだったのかもしれないけど、間違いなくBMWヘの最上級の愛情を感じた。俺がMAZDAに対してあれこれ書くみたいな・・・ちょっとイってしまってる狂気を感じた。これこそが本来の好きなクルマを語るスタンスってもんじゃないのか!? その真逆の「俺はそんな安い人間じゃねー」ってことを言いたいだけのボケが59人くらいいた(来年から出てくんじゃねー)。日本ボケ・オブ・ザ・イヤー(BOTY)に趣旨替えしたらいいんじゃねーの!?2018の大賞はもちろんぶっちぎりで石井。
近年稀にみるスマートな仕事ぶりでは!?
そんなボケばっかりのカーメディアの前に現れた新型スープラ。もうあらゆるものがひっくり返って「グチャ」ってなってますね。なんで多田さんはこんな設計にしたんだろうか!? 3つの仮説がある。1つめは「ポルシェを撃ち落とせ!!との号令一下で社長好みのピュアスポーツを作った」。2つめは「86が散々に叩かれたことへのリベンジ」。3つめは・・・これが正解じゃないかと思うのですが「ポルシェをはじめとした半世紀以上にわたるスポーツカーの歴史に対するレクイエム的な意味合い」。まあ真相なんてどーでもいい。
本物を作る時代
トヨタのことだからどこかツッコミどころを用意してくれていると思っていたが、まさかのピュアスポーツ。これまでずっと語ってきたスポーツカーに対する議論が全て間違っていたんじゃないか!?ってくらいの衝撃を受けている可能性もある。S水K夫は「このクルマのライバルは価格的にケイマン」とかホザいていたけどざ、内容はヴァンテージくらい価値があるものを、ケイマンくらいの価格で提供しようってのがこのクルマのコンセプトだと思われる。それくらいに「バリュー」を感じさせないと・・・アレに絶対にやられるから。つまりライバルはテスラ・ロードスターだ。
撤回不能な事前報道の愚かさ・・・
「テスラにクルマの何がわかるんだ!?」ってみんな懐疑的だったけども、気がつけばポルシェもメルセデスもトヨタも・・・必死でテスラのやり方を真似しようをしている。・・・で賢いトヨタはとっくに気がついていた。これから先の世の中は「ごまかし」でクルマ商売はできないってことを。トヨタとBMWが手を組んでスポーツカーを作る!!中学生〜大学生あるいは頭が弱いオッサンならさぞかしワクワクした!?いや発表前から相当にネガティブな報道がカーメディアから度々あった。「BMWは完全に白けている」「Mモデルは設定されない」などなど。トヨタも多田さんもカーメディアから完全にバカにされていたわけだ。それでも律儀にクソ連中からのインタビューに応える。一流企業のプロフェッショナルってやつだな。
ポルシェとMAZDAに戦慄が走る
3シリーズやレクサスISのホイールベースをちょっとだけ縮めたようなクーぺスタイルのクルマを誰もが予想していたけど、86に続いてまたまたマーケティングを無視した無茶なクルマ作りに走った。採算はもちろん度外視。トヨタもBMWも「クルマ文化への共感」とかいうCSRを掲げました!!って株主に説明するのが精一杯だろう。生産台数も2ブランド合わせてフェラーリ並みの年産10000台未満に抑えられているらしい。儲かるはずがない。だからこそ重大な事件だ。もうトヨタ、BMW、スープラ、Z4、カッコイイ、カッコワルイとか関係ない。何十年後かのスポーツカーの図鑑に、911、ロードスターと同等以上の扱いを受けて書かれるモデルを作ってしまった。今頃はポルシェやMAZDAの担当者は縮み上がっていることだろう・・・。
「裏表がないクルマ作りってのはなかなか難しいのかな」
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