前回の続きで、MAZDA3が13ブランドの中でどのくらいのレベルなのかを探ってみるという検証企画です。13ブランドのうちで非SUVでCセグが無いジャガーは棄権。12位日産シルフィ、10位スバル・インプレッサ、10位カローラスポーツ、8位BMW1シリーズ・・・・という経過でした。中型車13ブランド=世界のトップの戦い なので、今回はコスパは本体価格上限を400万円に定めています。シビックtypeR、120i、M140i、ゴルフGTI、ゴルフRなどは除外しています。悪しからず。各項目の評価基準は、5点=突き抜けた存在、4点=満足度高い、3点=許容範囲、2点=改善を願う、1点=論外 となっています。
<前回記事のリンク>
MAZDA3 は中型車13ブランドの中で何位!? その1
第8位 メルセデスAクラス 25点
(静粛3、ハンドリング3、出力3、燃費3、インテリア4、エクステリア」3、サス3、ミッション3)
さすがメルセデスというべきか、「2」が一つもない。インテリア「4」の決め手は、全メルセデス車にとっての伝家の宝刀ともなっている「パワーシートの使いやすさ」が他ブランドを圧倒しているところ。ここが今のメルセデスでは一番好きですね。あのシートの形のボタンを作って特許取った人は天才だ。任天堂の十字キーと同じくらいすごい。話題の音声認識のボイスコントロール(MBUX)はユーザーによっては高評価につながる要素だろうけど、他車ユーザーが「絶対欲しい」とまで思うかは不明。
生活にゆとりがある女性が使うクルマ・・・と限定してはいけないのだろうけども、あまりメルセデスの走行性能などにこだわりがない女性が使った方が無難な気がする。そんなファミリープライベートカーであることを前提にするならば、とてもよくできていると思う。先代モデルもそうだったけど、このクルマは制動力がなかなか素晴らしい。ホンダやマツダの上級モデルが持つ、その気になればガツンと止められる心強い効きを持っている。これポルシェのスポーツモデルを除いたら日本で正規販売される量産ドイツ車では最強クラスだと思う。
さらにJNCAP試験は受けてないけど、おそらく衝突安全性もかなり期待できる。ブレーキもそうだけどベースが三菱車ってのは大きい。さらにそこに信頼できる日産のターボが搭載された。これからもアライアンスを活用してFF車の王道を突き進んで欲しいものだ。
第6位 レクサスCT 26点
(静粛4、ハンドリング3、出力3、燃費5、インテリア3、エクステリア2、サス4、ミッション2)
静粛、燃費、サスで高得点がついているので、もうそれだけで「買い」って人も多いんじゃないですかね。価格が高いクルマになればなるほど、あれこれと万能さを求められてしまうものだけど、「プリウスベースのレクサスです!!」という他車にはないコンセプトを最初から掲げていて、このクルマの多くのユーザーは動力性能などそれほど興味はないし、ベースとなった旧型プリウスとはシフトフィールが違う!!という人もいたけど、だからといってDCTやトルコンATの心地良い変則があるわけでもない。
2011年発売モデルだけども、おそらくトヨタの「MC系」(プリウスや海外向けカローラ用)シャシーを使ったモデルではアルファードを超えて最も静粛性に優れている。レクサス向けモデルをMCシャシーで作るにあたって、トヨタがかなりの労力をつぎ込んでいるのはわかるし、ミッションもブレーキもベースの3代目プリウスのものをかなりブラッシュアップしている。
内装も旧型のトヨタだとまあ「2」が相場なんだろうけど、昨年出たばかりのカローラスポーツよりはまだまだ十分に格上に見える。ちょっと残念なのはリアシートがタイトな点。ニッケル電池時代のHVを使っていてスペース効率があまり良くない。インテリア「3」はそれらの総合的な評価。エクステリアもトヨタにしては賞味期限が長いと思う。レクサスのコンセプトがまとまりきらない時代の顔を2014年に整形しているが・・・13ブランド基準で判断すれば「2」かなー決して悪くはないのだけど。
第6位 ボルボV40 26点
(静粛3、ハンドリング3、出力3、燃費3、インテリア3、エクステリア3、サス4、ミッション4)
いよいよボルボのラインナップの中で、旧フォード時代のシャシーを使う最後のモデルとなったV40。デビュー当時に搭載していた1.6Lエコブーストはターボユニットなのに6000rpm付近にピークがある高回転の官能型ユニットで、あの福野礼一郎さんが大絶賛していた。現行モデルはデンソーとのタッグで「ドライブE」と呼ばれるボルボ&吉利汽車の専用ユニットを開発し、中国にアイシンAWの開発部門と工場を作らせる大規模な設備投資を伴う協力関係を築いている。
シャシーこそ旧フォード(マツダ)のままだけど、ユニットなどの中身は信頼性の高さに定評があるトヨタ系サプライヤー。乗り心地も第五世代MAZDAの爽快さが影を潜め、どこかトヨタな雰囲気が・・・気のせいだろうか。福野さんの言う通りだけど、このクルマがフォードのかっ飛んだ1.6Lエコブースト(180ps)で売れたのはよくわかる。しかも価格は269万円(消費税5%時代)だった。
それが今では客寄せパンダ価格のT2(122psの1.5Lターボ)が299万円。初期型は相当なクルマ好きでも思わず手が出てしまう魅力的スペックだったけど、今ではレクサスCT200hの「お友達」みたいなキャラに。これもAクラス基準で考えたら安全性に定評があるボルボ(旧マツダシャシー)なのだから裕福な女性が使うクルマとして存在感を発揮できそうだ。
第4位 VWゴルフ 27点
(静粛4、ハンドリング4、出力3、燃費3、インテリア3、エクステリア3、サス4、ミッション3)
さすがはVWゴルフ「2」が付く項目がない。「世界のベンチマーク」とか言われている(言わせている)VWゴルフには、少々違和感があるけども、実際に色々なクルマを試してみた時に、様々な要素がゴルフよりも洗練されていると感じられれば、「これはいいクルマだな」と無意識に評価してたりする。実際にゴルフくらい静粛性が高ければ「安っぽいクルマ」とは感じないし、ゴルフくらいにダイレクト感がある乗り味だったら「ずっと走っていたい」と思う。
ただし現実問題として、ゴルフを所有したいか!?というとそーでもない。正直に白状すれば、どっかで「ダサい」と感じている。おそらくインテリア「3」、エクステリア「3」あたり。欧州的な「機能美」あふれるデザインと言われれば頭では納得するのだけど、右ハンドル運転席の足元を圧迫するようなサイズのDSGミッションの張り出し、シートやトリムの素材の古臭さも含めてドイツの「伝統」だと押し付けられてる感じが好きになれなかった。
発売からかなり年月も経っているし、エンジンの載せ替えも遅れているし、もっと総合順位が下になると思ったけど、結果的にレクサス、メルセデス、BMW、トヨタを全て抑えての貫禄の4位はさすがだと思う。とりあえず現行のVWゴルフを魅力で軽く超えていくモデルがもっとたくさん出てこないとダメだ。世界の自動車の最先端であり、若者のライフスタイルの中に「自動車所有」を提案するだけのパワーを秘めているのが「13ブランド」だと思う。現行ゴルフが登場に日本COTYをかっさらってからもう6年も経つけど、力関係はあまり変わっていない・・・。
VWゴルフを超えていった期待の上位モデルは次回に書きます。
「その3」(続編)へのリンク
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