3、ランドローバー・ディフェンダー
迷える日本の輸入車好きにとって、久々にアイコニックな欧州車の登場で俄然に関心が集まっているらしい。ランドローバーによるラダーフレーム廃止の方針によりモノコックシャシー(乗用車と同じ)に変わった。簡単に言ってしまえばジムニーがハスラーに変わったみたいなもんだ。男のスパルタンな本格クロカンとして認知されるジムニーに対して、ハスラーはお手軽なファミリーカーであり、ユーザーは完全に分断されている。
そもそも先代ディフェンダーは、日本で乗用車として使うにはあまりにも無骨過ぎるデザインで、ユーザーはほぼ100%指名買いのマニアのみ。中古車市場にも海外市場から持ってきた国内未登録モデル(1〜2万キロ走行)のものが多い。90年代の個体が大切に取引されているモデルという時点で、他の乗用車とは一線を画している。そんな伝統を持つモデル名なのだけど、おそらく納車が進んだ来年には都会派SUVの代表的なモデルに成り上がる可能性もある。デザイン一発でここまで多くのユーザーの関心を引いているし、厳しい日本市場の活路を開き、さらには若者のクルマ回帰をも促すブレークスルーになるかもしれない(ちょっと高いけどさ・・・)。
かつてジャガー=ランドローバーの人がインタビューで、閉塞的な日本市場は世界で最もセンスが問われる市場であり、そこで成功したモデルは世界のどこでも売れる・・・みたいなことを言っていた。日本市場でシェアを拡大したMAZDAが世界でも力強く販売を伸ばしているし、日本で根強い人気のメルセデス、VW、BMW、MINIなどは、とりあえずはどこの大規模市場でも通用する。設計(メンテナンスフリー?)もデザインもなかなかピンポイントで日本の都市型ユーザーを貫いている。MAZDAよりも攻めたデザインを見る限りは、グローバルヒットへの試金石として「日本市場に挑戦」という言葉に嘘はなさそうだ。