5、ダイハツ・タフト
ダイハツの危機感は本物!? 垢抜けない国産車のこれまでの歩みを「土」の中に埋めて全く新しいクルマのイメージを作ってきた。。軽自動車市場のライバルであるスズキのハスラーのヒットを受けての対抗モデルだとされるが、親会社のような露骨なパクリもなく実に清々しい出来栄え。150〜200万円くらいの価格帯で売る軽自動車はもはや珍しくないけど、MAZDA2やCX-3に追加された廉価グレードと価格が被る。トヨタのC-HRもこの価格帯のグレードがある。軽自動車は税制上の優遇もあるので単純比較とはいかないけども、普通車を相手にすることまで想定して「奥深い」デザインを練っている様子がわかる。
タフトに関してはテーマカラーをしっかり決めて、まるでカラーでもMAZDAに挑戦してきた感じがある。MAZDAとその真似を好む周辺のプレミアムブランド連中のデザインのように、鏡面仕立てでピカピカしていればいいってものでもない。艶消しマットな色合いで、クルマの塊感を表現し、「道具」としてのクルマの価値を力強く訴えると同時に、売れない時代に求められている新しい自動車位ディアとしてもハイレベルな完成度。デザインだけでなく、全グレードにサンルーフを付けるなど、これまでの自動車に関する「設計のセオリーさ」と「商習慣」を打ち破る「テロ的な市場破壊」を意図しているとしか考えられない。
親会社の新型SUVが鏡面仕上げの他のブランドの影響を受けすぎているけど、同時期のタフトはその真逆を行っている。共にアライアンスで繋がるトヨタ・グループメーカー同士なので、真逆の個性を持つSUVをグループ内で二台同時発売して、景気回復への刺激を仕掛けたのかもしれない。ハスラーのパクリだと誰も疑わないだろうし(実際に似ていない)、MAZDAのデザイン哲学も一切無視してことまで完成度を高めた価値は非常に大きい。
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