とうとう始まった!?
テスラ・モデル3がこの1年余りの間にコンスタントに欧州市場で2万台以上の販売を続けた。EV転換はいよいよ本格化の時期を迎えつつあったけど、テスラショックによって1〜2年は前倒しされたかもしれない。欧州、北米、東亜の既存自動車メーカーも本格化を予想していた時期が大幅にずれ込んだような慌てぶりだ。現状では年産59万台というテスラのキャパ(トヨタから接収したインフラ)はフル回転状態らしい。メキシコや東南アジアの日系メーカーの工場は思ったほど操業効率が上がらず30%程度に推移しているところもある中で、テスラだけでなく他の多くのメーカーもアメリカ本土の工場は軒並み好調に推移している。EVの拡販はバッテリー供給が豊富な地域が有利で、再び北米、中国、欧州の拠点に回帰する動きが出ている。
反撃開始
欧州EV市場でテスラモデル3による1強状態が1年ほど続き、ガソリン車も合わせた販売ランキングにおいても2019年末に発売されたばかりの王者VWゴルフ(8代目)に肉薄している。2020年の欧州市場は前年から大幅な-24%という結果になったこともあり、テスラの限界台数でも欧州の頂点が伺える状況だったようだ。しかし欧州勢も黙って見ている訳ではなく、ついに2020年12月になっていよいよ欧州の盟主フォルクスワーゲンが本気モードのEVを投入してきた。ドイツでは補助金によってVWゴルフとほぼ同等の価格に抑えられるようになった「ID.3」が、いきなりテスラ・モデル3のさらに上に躍り出てきた。2020年12月の上位3台は以下の通り。
ゴルフ 30,073台
ID.3 27,997台
モデル3 24,567台
ちなみにトップ10に入っているVWグループはこれ以外にシュコダ・オクタビアを合わせて3台のみ。ドイツ車もゴルフ&ID.3のみという様変わりっぷりで、フォルクスワーゲンは背水の陣でEV戦略に臨んできた。