輸入車の立ち位置
日本市場において輸入ブランド車の販売比率は10%程度であり、世界の主要市場ではありえないくらい低い水準。輸入ブランドにとっては販売台数の確保が難しい上に、細長い日本のあちこちの都市にディーラーを確保せねばならず、それ相応の価格でないと割に合わないビジネスなのだろう。日本のユーザーもその辺の事情を察知し、国内での希少さによって増大する「ブランド力」こそを最大の魅力として選んでいるようだ。1990年代までは「ドイツ車は走る・曲がる・止まるのレベルが高い」が通用したようで、その性能で日本車と差別化されていたようだ。私のような2000年前後に免許を取得した世代以降のユーザーにとっては、ドライビング人生の最初からアコード、アルテッツァ、アテンザ、ランエボ、インプWRX、インテR、シビックR、オデッセイの全盛期であり、特段にドイツ車が優れているというイメージが持てない。実際に2000年当時の英国メディアを参照しても、日本メーカーのレベルは完全に世界トップに位置してしていることがわかる。
輸入車が面白くなってきた
2000年代においてはすでに日本メーカーが揺るぎない優位にあったのだけど、それでは成立しないカーメディアでは「輸入車優位論」が盛んに論じられていた。2010年代に入り、日本メーカーのグローバルモデル化が進行し、下位グレード車まで著しく高性能化を果たした。クルマの基本骨格も強く、パワーユニットには圧倒的なバリエーションがあり、さすがに頑固なカーメディアも日本車の優位性を認めざるを得ない状況に追い込まれた。しかし・・・2020年代に入り輸入ブランドの反撃が始まっているように感じる。機能性・デザイン・コスパにおいて堂々と日本メーカーの同クラス車と互角以上に渡り合う輸入モデルが増えてきている。日本メーカーをよく研究し、その資本投下があまりされていないジャンルに偏在してはいるのだろうけど、2021年現在で完全に日本メーカー車を凌駕していると思われる5車種を選んでみた。