広島モデル
「グリーンニューディール」の本流(EV競争)に背を向けて、持続可能なエンジン車をアピールしてきたMAZDAは、ちょっと前に「人生の様々なニーズに寄り添うクルマ」をテーマにクルマ作りをしていると宣伝していた。独身世帯にはMAZDA3やCX-30、家族ができたらCX-5、MAZDA6、CX-8、そして引退後の余生は、MAZDA2、CX-3、ロードスターがあなたの人生を彩ります!!そんな説明をしていた。一世帯に1台のクルマで持続可能な生活を送る。藤原さんのインタビューでも「広島の山間部の人々が軽トラで仕事も生活もこなす風景に、MAZDAのクルマ造りで心掛けるべきヒントがある」という禅問答を唱えていた。MAZDAはドイツの某有名ブランドの真似ばかりだ・・・そんな揶揄する声もあるけど、全ラインナップの構成をみても「持続可能なライフスタイル」というコンセプトはブレていないし、あらゆるドイツメーカーとは全く異質のものだと思う。
NDの秘密
2015年にNDロードスターが発売され、日本市場や欧州市場向けには1.5Lエンジンが選択された。軽量化という命題はわかるけど、あまりにもエコ過ぎる・・・と多くの人が感じたことだろう。当時の私も同じような感想を抱いたが、今思うと当時の浅はかな認識に大いに恥じ入る気持ちでいっぱいだ。なぜMAZDAの「真」の狙いが見抜けなかったのだろう(バカだから)。MAZDAの開発者は決して「エコの押し売り」みたいな物言いはしない。NDロードスターのダウンサイジングに際して、「環境を最優先して設計しました!!」などと発言したところで、エコを考えているなら誰も最初からスポーツカーなんて買わない・・・と嘲笑されるのがオチだ。1.5Lエンジンで1000kgのボデーならば、EVにも負けない効率的なモビリティになり得るし、それはまさにロードスターをEV時代に残すための布石だったのだろう。