物足りない・・・
WCOTYでも度々高い評価を受けているMAZDAデザインの取りまとめ役である前田育男さんは、時にインタビューや著書の中で同業他社のデザインへの取り組みの甘さに、怒りを隠さない。MAZDAとしては「都会向けの小型SUV6選」に2台を送り込んでいるけど、まだまだ突き抜けた存在にはなっていない。長年のMAZDAファンから見ればCX-30もMX-30も「おとなしい」デザインだ。清潔感があるのは認めるけども、「RX7FD3S」「MS-6」「GHアテンザセダン」のようなモニュメント的傑作デザインとはテイストが明らかに違う。それでもMAZDAデザインの「質的変化」は応援したい。
時代の流れ
スポーツカーやセダン、クーペがブランドアイコンになる時代はとっくに終わってしまった。新しいフェアレディZや86、BRZがすでに登場しているけど、どうもノスタルジックな印象が強く、スポーツカーそのものが「斜陽」にあることがデザインに色濃く現れてしまっているようだ。トヨタ&スバルも日産も開き直って、ただただスポーツカーを忘れられない世代に向けて「媚びた」デザインをしている。言い過ぎかもしれないが、スポーツカーは「善意」そんな姿勢が見え隠れしている。2000年頃に登場した初代アウディTTや2007年の日産GT-Rのように2ドアクーペが新しい時代を切り開いていく・・・そんな「勢い」が感じられない。もはや現行のアウディTTはブランドに新しいユーザーを引っ張って来る存在ではないけども。