変遷
2008年頃のリーマンショックがセダン市場に与えた影響は大きかった。それに先立つ変革期だった2000年頃には、日産やMAZDAの社長が外国人になり業界再編が行われたけども、その頃はまだまだ各社ともにセダンへの意欲は高かった。しかし「収益力を高める」ために、トヨタがレクサス、日産がインフィニティ、ホンダがアキュラをメインにセダンを作るようになり、日本メーカーのセダンでも急速に「高級化」が進みつつあったようだ。そんなセダンにとっての過渡期にリーマンショックが直撃した。当時の国内市場はミニバンやコンパクトカーの成長が著しく、北米プレミアムブランドを持たないスバルやMAZDAのセダンへの意欲は減退し、北米市場への興味すら失っていたスズキ(キザシ)や三菱(ランサー)はセダン開発を放棄した。
退化
200万円ちょっとで買える手頃なスポーツセダンは、次々と姿を消した。先ほど挙げたアコードやアテンザは、高性能サスペンションを備えた極上のハンドリングと、程よい高級感があり非常に優れた選択肢だった。しかしスポーツセダン専用シャシーはかなりの高コストであり、幕引き後の後継モデルには、SUVにも使える汎用シャシーが投入され、HVやディーゼルがメインのモデルになってしまった。メルセデスやBMWでさえサルーンとSUVのシャシーを共通化させていたのだから、ホンダやMAZDAが「専用シャシー」というわけにはいかなかったのだろう・・・。