18台目
レクサスIS
合計35点
作り込み8 フィール7 静粛性7 デザイン8 コスパ5
コダワリに涙するスポーツセダン
プジョー508と並び、旧世代のコンポーネンツが醸し出す情緒が印象的な貴重なセダン。ちょっと前まではマークXのハイエンドモデルだったり、クラウンだったりでお馴染みの3.5LのV6自然吸気は縦置きではもうISとRCだけになってしまった。ホンダ、日産、BMWのエンジンもいいけど、トヨタが守り続けてきた2GR-FSE系エンジンをあえて選んで乗るのもいい。セダンという空力特性に優れてCD値が低く、ボデー容量も少ないので鉄板や防音材を多めに投入できたり、後輪からのノイズが直接キャビンに入ってこない形状で、静粛性を高めた環境だからこそ、世界最高の静粛性と言われるトヨタの極上6気筒をあえて自然吸気のまま搭載する価値も高まる。
クルマの価値に正直な設計
今では世界の巨大メーカーが束になっても敵わない圧倒的な収益力を見せつけるトヨタの自動車ビジネスに批判的な人々もいるだろう。僭越ながらこのブログでも何度か疑問を呈してトヨタのやり方を酷評したこともあった。ホンダやMAZDAのクルマ作りに悪い影響が出そうなトヨタのゲスな量産車戦略は、「金を払う価値のあるクルマ作り」を求める人々の間では根深い賛否両論あるだろう。しかしレクサスISくらいの同セグメント同価格帯のドイツブランド車と比べると、はるかにコダワリ抜いた設計だと言える。ディーゼルが良いのならメルセデス、アウディ、BMWで、ハイブリッドならレクサスISという棲み分けはあるけど、「余裕を持った走り」「静粛性」といったセダンの本質を考えた時に、V6自然吸気を残すトヨタの覚悟は賞賛に値する。