安く作るには・・・
国内で実績のあるサプライヤーが全面協力してくれるならば、自動車メーカーも決断がしやすいのかもしれない。メルセデスやアウディに提供されている電動デバイス(ブースター)がすでにスカイアクティブXや海外向けのガソリンエンジンモデル(日本向けMX-30にも)に搭載されている、全米ナンバー1のブランド力を誇る広島メーカーも、すっかりサプライヤーに口説き落とされているのだろう。FRシャシーを新たに採用するメーカーの幹部がインタビューで明言していたが、「FR化は大型モデルを作るためには非常にコスト面で有用」なんだそうだ。
レジェンドの悪夢
従来の横置きエンジンを拡張して5m級のサルーンやSUVを作って主力モデルに仕立て、新型モデルとして短期間で市場で存在感を発揮するのは難しい。端的に言ってしまえば、ホンダがレジェンドで歩んできたような「いばらの道」を進む必要がある。1970年代以降で間違いなく世界最高のバイタリティーを有してきたホンダであっても塗炭の苦しみを味わってきたのだから、この激動の時代に同じレベルの開発をやり遂げるメーカーなど出てこないだろう。横置きエンジンのままBMWのフルサイズサルーンを超える機動性を持たせるために4輪トルクベクタリングを完成させ、フロントに巨大なV6エンジンを置き、モーターを3つ使い、巨大な燃料タンクとバッテリーを用意する必要があった。結果としてアメリカでも日本でもまともなコストパフォーマンスを発揮することができていない。