「悪人」ではない
コロナ禍では結構お客が多かった。MAZDAが大変だろうなと思い2020年8月に買い替えを決断して即日契約したが、別に困っている様子もなかった。2012年の頃は冴えない表情だったディーラーマンも生き生きしているように見える。リーマン後の地獄(干上がるディーラー)を経験し、再び「日本人経営のMAZDA」として独立独歩の道を歩み始めたのも、MAZDA販社の苦境をフォード傘下のままでは救えないだろうし、MAZDAという企業体がこのままバラバラになってしまうという危機感があったのだろう。一部のカーメディアではしばしば「悪人」(K沢氏の評価)とまで揶揄されている藤原さんの肝の座った喋りのファンも多いだろう。一介のサラリーマン役員がやたらと堂々としている。何もかもが上手く行っている自信から来るのかもしれない。少なくともファンも販社もリーマン後のような絶望を感じさせてはいないし、ファンでなくてもMAZDAに期待する人は少なくない。
時代の流れ
魅力あるスズキ車を多く扱えることも、MAZDAディーラーにとっては大きいだろう。ハスラーもスペーシアも2012年にはまだ存在していなかった。ジムニーやアルトワークスまでMAZDAブランドで発売すればいいという声もあるかもしれないが、MAZDAラインナップを補完するという意味ではハスラー、スペーシアの2台の価値は大きい。MAZDAブランド内の販売ランキングでもCX-5、CX-30、MAZDA3の次くらいにスズキOEMモデルが入ってきてしまうほどだ。MAZDA販社内での地位は確実に上がってきている。トヨタにとっての月2000台は微々たるものだけど、MAZDAにとっての月2000台は非常に大きい。トヨタがダイハツOEMの普通車(ライズ、ルーミーなど)をラインナップのボトムに用意して大ヒットさせている。MAZDAの各販社もFRシャシーが発売されて、ブランド全体の価格がさらに上がる中で、スズキOEM車への取り組みを本格化させるのだろうか!?