先代シビックが苦戦した理由
CX-5やレヴォーグは初代モデルからよく出来ていたので、比較的に若い世代にも売れた。30代、40代がこれらのDセグモデルに満足げな中で、完全に日本復帰のタイミングを見誤ったのが先代シビックだったと思う。若い人がCX-5に乗っている中で、それよりも上の世代のオッサンがシビックでは「自動車社会学」的に収まりがつかなくなる。先代シビックもレヴォーグやCX-5に負けないくらいの後席空間を確保しているのだけど、Cセグのセダン&ハッチバックよりも、Dセグのワゴン&SUVの方が積載は有利だと感じてしまう。さらに決定的だったのはインパネなどの質感だったかもしれない。アキュラとホンダで作り分けるメーカーだと、どうしても下位ブランドの質感をよく見せる工夫には消極的になってしまう。これはトヨタ、日産、VWにも同じことが言える。
大手メーカーの現実
アキュラ、レクサス、インフィニティ、アウディのキラキラした質感に対して、決して見劣りしないように内外装をデザインしているスバル&MAZDA。それに対してホンダ、トヨタ、日産、VWのモデルが相対する難しさはある。2012年2013年に、当時のトヨタ、日産、ホンダが諦めかけていた、300万円を超える2列シート4ドアの中型乗用車において、スバル、MAZDAだけでなく輸入ブランドからもヒット車が続出するなど、背に腹は変えられなくなってきた。横置きFFの欧州ブランド車は、ほぼほぼ日本メーカー設計のシャシーをベースに作られているのだけど、トヨタ、ホンダ、日産が3列シート車市場に追いやられ、最も利幅が大きい2列4ドアの市場から締め出されるのは面白くない現象だ。