価値あるクルマ文化へ
とにかく「デカくて」「価格が高くて」「ドヤれる」クルマが欲しいという人もいるだろうけど、その方向へ突き進んだ5シリーズやEクラスは、もはや次のモデルが開発されるか微妙なところになっている。かつては「最速セダン」と呼ばれたロードカーの王道「アリスト」だったはずのレクサスGSはあっさり消滅した。ホンダ・レジェンド、日産シーマ&フーガも、「ロードカー」としての本質を欠いた高級車路線の開発へと進んだ結果、テスラにあっさり足元を掬われる結果に終わった。
新時代の大手メーカー
あくまでの仮定の話だけど、トヨタ、日産、ホンダはそれぞれに「自己批判」とも取れる声明を出し、巨大になりすぎた組織のコントロール性の低さを是正すると共に、自動車メーカーとして新たに戦うフィールドを「設定」したのだろう。日本市場向けには3社ともに、スライドドア、SUV、軽自動車をフルラインナップで用意している。2000年以来の断続的な開発費投入が反映されている。しかし潤沢な購入資金を持つユーザー層は「ブランド力」を重視してポルシェやテスラを選ぶ。レクサスも日本導入から15年も経過するのだからもっと絶対的な存在になっても良さそうだが、未だに核となるモデルすら生まれていない。