機械とは・・・
初代スカイラインを作った中川良一さんは、戦争中に中島飛行機で「栄」や「誉」といったエンジンを開発した。開発期間がそれなりに確保できていた「栄」は零戦のエンジンとして1941年の太平洋戦争開戦時には世界最高レベルの性能を示していたが、後継の「誉」の実力が広く認められたのは戦後に接収され、アメリカにおいて2000ps級の米軍機(ヘルキャット、グラマンなど)と比較しても優れた性能を誇ったそうだ。当時は日米の自動車生産の能力を比較しても日産の2万台/年に対してゼネラルモータースは200万台/年を誇っていたのだから物量も大きく違っていた。それでも十分な開発期間を経て作られた機械は当然ながら洗練される。小排気量ターボエンジンにしても10年程度のサイクルが熟成に必要だったと考えるのが妥当だ。
素人にウンチクはいらない
ここでミソなのが、具体的どこがどう熟成されたか?をいちいち気にしないことが重要だ。シビックにしろ、ゴルフにしろ、すでに先代のガソリンターボユニットの段階で相当な完成度を誇っている。そこからさらにどう良くなったかを乗るだけで正確に把握できる人はほとんどいないだろう。自分たちはあくまで「単なるクルマ好き」ってだけであり、水野和敏でも福野礼一郎でもないのだから。ヘタなウンチクを語っている場合ではない。ある程度はメーカーを信頼し、開発サイクルを鑑みてベストなタイミングだと思われるクルマを試してみて、フィーリングが上々であればその選択で問題ないはず(あくまで自己責任でご購入ください)。