「日産オーラ VS VWゴルフ」
予備戦
おそらく世界で最も発売されているクルマの種類が多いであろう中国市場でトップ争いをするレベルのクルマを作り続けている日産、VWの両陣営。トヨタ、ホンダ、ヒュンダイに付け入る隙も与えずに、日産シルフィとVWラヴィダが1位2位で、カローラを全く寄せ付けない(カローラとカローラレビンを合わせるとシルフィと同じ)。2020年も数あるモデルの中でこの2台だけが40万台を突破している。どちらもいわゆる「ノックダウン」生産のようで古い世代の設計でコストを低減し160万円程度に抑えていて買いやすいのもあるのだろう。そして日本市場で対峙するオーラとゴルフは、次の中国市場における主力の設計になる可能性が高く、両陣営ともに日本市場での売れ行きにはそれほど関心はないけど、完成度とコストのバランスにさぞかし腐心していることだろう。
日本と中国は入れ替え!?
平均的な所得の日本人が買うにはやや高価なオーラとゴルフの2台だけど、数年後にはこれが中国市場での普及モデルになり、現在の中国でよく売れているラヴィダとシルフィがより貧しくなった日本市場にEV投入とセットで「戦略車」としてやって来るかもしれない。それでも160万円で古い世代のゴルフが買えるって結構ハッピーなことだと思うし、1Lターボに中国市場向けに供給されているトルコンATが組み合わされるならば、日本のハードな気候でも少ない故障で済みそうな気がする・・・。