1台目 GR86 / BRZ
EV化不可能!?
トヨタとスバルが「クルマ文化」の裾野を広げるために作り続けているFRスポーツカーが2代目になった。平坦な直線路で加速するだけなら出力を上げたBEVに分があるけども、1充電で300km以上巡行するEVはバッテリーが重くなるので、この手のライトウエイトスポーツカーをEVで置き換えることは非常に困難だと思う。重くなりスポーツカーの性能が出せなくなったとしても、EVには「環境性能」「加速性能」「静粛性」といった正義があるが、このGR86のようなスポーツカーに関してはそのメリットを主張するのはやや無理がある。
環境性能とは!?
資源エネルギー庁によると、2030年の電力は今よりも省エネが進み圧縮される見通しで、約60%が化石燃料の火力、20%が再エネ、20%が原発になる見通しだそうだ。2050年ならいざ知らず、プレミアムブランドがEV化を完了させる時期の2030年にはまだ60%ほどが火力による電気で走ることになる。この段階においてEVは、「バカの乗り物」とは言わないけど、リテラシーのある人々からはまだまだ「敬意」を持たれることはないだろう。言うまでもないが、軽くて静粛性を重要視しないGR86のようなスポーツカーを代替できるEVは、現状では想像もできない。それどころか、日本の発電が2030年で実現できるレベルならば、まだまだ日本市場では、軽自動車市場においても「200万円軽EV」の優位は確立していない可能性が高い。