負けない自信
トヨタやスバルの優秀な開発者も、スポーツカーこそが最もEVシフトに抵抗できると自信を持ってGR86を送り出しているはずだ。実際にEV推進を強硬に主張する人々の説明には、スポーツカーをEV化するメリットに言及されることはほとんどない。重くなった車重をカバーし充放電の限界を超えてバッテリーを酷使してやっとスポーツカーにふさわしい加速性能が出せるが、すでにそれ自体が環境とは逆行するものになっている。レクサスが先日公開したようなスーパースポーツ的性能を誇るラグジュアリークーペならばEVで作るメリットはあるのだろうけど、EVに2000万円の価格が付くかどうかは不透明だ。
ただのクーペならEVでもOK
初代86が登場して間も無くの頃、深夜に東京・多摩センター付近の尾根幹線を走っていたら、前を走る86が左折のウインカーを出しつつも右回りから淀みなく270度ターンして、華麗に左折をキメたことがあったが、そんな芸当はEVにはできないだろう。逆に2ドアクーペとして86に乗ってるだけならEVでも構わないのかもしれない。EV化によってガソリン車は窮地に追いやられてと考えられがちだが、選択肢が増えたことで今まで以上にクルマとの関わり方を真剣に考えることが多くなったと思う。スポーツカーならエンジン車を選びたいけど、現実問題としてスポーツカーとのカーライフは、メタボな日常を一気にアスリートな習慣へと追い込む。EV所有に関する煩わしさ以上のものが、スポーツカーとの日常にはあったりする・・・。