商品コンセプト
すでに発売されている「自宅充電ユーザー専売」(ディーラーが条件付きで販売している)のMX-30EVはニーズの合う人に向けてのEVインフラの提案だ。従来の動力性能をコンテンツとしたMAZDA車とは異なり、カーライフ全体の提案だ。450万円という車両価格を抜きにすれば、実家の母の使い方にはぴったりな気がする。しかしMX-30の発売に合わせてMAZDAは「このクルマはMAZDAの本流ではない」と異例の宣言を出している。EUやカリフォルニアでも展開するグローバルブランドゆえに作らざるを得なかったわけで。そもそも市販用ですらなかったようだ。第七世代として横置きエンジンの最適化されたプラットホームでMAZDA3などが展開されていて、これに縦置きとEV専用の別々のプラットホームでそれぞれの長所(走りの良さ)を強調して登場するのだろう。
最高のブランド
それらと前後して登場してくるのが、電動化されたロータリースポーツカーであり、特許によるとこれにもやはり専用設計のシャシーが投入される。GMと並んで50年以上に渡ってMAZDAが守り続けた伝統が、独特の決断を導いたようだ。ポルシェもジャガーもすでにBEV化で決着しているようだが、MAZDAは「こだわり」を捨てずに、ピュアスポーツの未来に挑む。この時点でMAZDAは他の全てのブランドと決別した。専用設計だからこそEV化ひいては汎用化に流れていく世界のクルマ作りの中で輝いていくことだろう。ロードスターがギネス記録を更新し続けるのも、ひとえに専用設計スポーツカーの価値を世界中のファンが認めているからだ。