不死鳥
CX-5が想定以上の大ヒットを遂げて、すっかりブランドの牽引役になったMAZDAだけど、その後から出てきたアルファロメオ・ステルヴィオの北米での躍進を見て、次世代のイメージを得たんじゃないかと思う。失礼だけどアルファロメオは2018年に他界したフィアットCEOセルジオ=マルキオンネの肝入りでジュリアが誕生したもののグローバルでの認知度もそれほど高くなく、販売も低調でしかなかった。それでも「不死身」のアルファロメオだけあって、ステルヴィオというたった1台のSUVによって息を吹き返し巻き返している。ブランド全体の2020年の世界販売は6万台余りに過ぎないが、高級SUV市場で異例の成功と言える。
なぜ自国生産!?
日本市場ではステランティスの各ブランドの個性的なモデルがそれぞれに人気で好調さが伝えられている。ジープ、プジョーを両翼に、アバルトやシトロエンなど日本車&ドイツ車に覆われてきた市場で魅力を放っている。その中でも前年比で伸びがもっとも高いのがアルファロメオらしい。「全車イタリア生産」という格調高さが人気の理由だろうか。「crafted in Japan」を欧州市場で堂々と訴えたMAZDAはやはりステルヴィオに感銘を受けたとしか思えない。日本とイタリアはG7では下層所得の国に甘んじているけど、「自国資本」とか「自国生産」とか真面目なこだわりが「GDPの水増し」にはあまり向かないのかもしれない。それでも美しい共通点だと思う。