ジャガーFタイプ(北米価格71,300ドル)
縛り
MAZDAのピュアスポーツカーは「ロータリー搭載車」か「ロードスター」の2つの伝統に縛られてきた。ロータリースポーツの再始動には難しい問題が立ちはだかっているようだし、オープンカーとして歴代世界最多の販売記録を持つロードスターは、北米や欧州ではノスタルジックにお洒落な「カルチャー・カー(文化車)」という独特の地位を得てしまった。フェラーリにディーノの復活が望まれるように、MAZDAにはいつまでもロードスターを作り続けてくれという声が殺到している。
ニーズは広がる可能性大
MAZDAにも非ロータリーでスーパースポーツっぽいクルマを作りたい欲望が渦巻いているだろう。数年後にはメルセデス、アウディ、レクサス、ジャガーなどが次々とオールBEVブランドへ転身する。どうしてもBEVは苦手という顧客をMAZDAはポルシェやBMWと奪い合う展開が予想される。専用設計スポーツカーを作ったことすらないBMWは敵ではないけども、MAZDAにやってきた客に、「SLみたいなクルマある?」「Fタイプみたいな・・・」「R8みたいなカッコイイものは?」とか訊かれるのだろう。代わりにロードスターに乗るとは考えづらい。