情熱
メルセデス・Sクラスの強みは、超一流の名門ブランドがSクラスのために技術革新を続けている点にある。他のほとんどのブランドはより「量販型」のクルマで利益を上げているため、下位モデルで採用される技術をベースにフラッグシップを組み上げている。ロールスロイスやベントレーはそれぞれBMWグループとVWグループを通じて「外部供給」された部品で組み上げられる。当然ながら「外注」で膨らんだ製造コストは大きく価格に賦課される。
凄いコスパ
現行Sクラス(W223)は、北米価格はベースモデルの「S500」で11万ドルほど。同グレードの日本価格は1465万円(新価格)なので、昨今の円安相場を考えれば、日米でほぼ同価格が成立している。Sクラス以外のモデルでは相当に価格差があるけど、このクルマは法人契約がほとんどなので「適正」な日本価格になっている。ユーザー層は一般庶民よりもはるかにコスト感覚に優れていて、この価格を「バカ高い」とは思わないらしい。むしろ積極的に部品を「内製」してコスト低減に努めた結果、最高レベルのクオリティーのクルマが10万ドルくらいで買える・・・と考えるようだ。