消去法だった・・・
MAZDAは「ユーザーに選ばれるブランド」だと宣言している。もちろん間違ってはいない。しかし現実には500万円以下で自然吸気エンジンとトルコンATを組み合わせたクルマを探すと、消去法でMAZDAにたどり着いてしまう。確かにMAZDA車を走らせることは、至上の喜びがある。真夜中の幹線道路を普通のスピードで走っているだけなのに、そこには非日常な安息の時間がある。特段にストレスを感じることなく生きているつもりだけど、1週間の中で一番幸せを感じる空間はMAZDA車だ。
二面性
こんな幸せなクルマを作ってくれたMAZDAを率いていた藤原さんは「神」みたいなもんだ。こんなカー・ガイがいつまでもMAZDAを支えてくれればいいと思っていた。そんな藤原さんを役員から下さなければいけない、やんごとなき事情が今のMAZDAにはあるのだろう。フェラーリのようにご機嫌なクルマを年に1万台程度作ればOKではない。120万台を販売して3兆円を売り上げる大きな総合自動車メーカーである。「感動しっぱなしのユーザー」と「シビアな株主」の両方の顔を伺いながら、微妙な舵取りが求められる。