アメリカに振り回される
2000年以降に免許を取ったユーザーにとって、高級車はなかなか縁がない存在でしかない。これには理由があって、1970年代にアメリカのBIG3が相次いて日本メーカーをその傘下に収めたことが影響している。GMはいすゞから、フォードはMAZDAから、クライスラーは三菱自工から、それぞれオイルショック後にラインナップを増やそうとしたコンパクトカーをOEMで調達した。その際にBIG3は主力の中大型モデルに関しては自工場での生産が減らないように、提携の日本メーカーには徹底して小型車中心の開発を求めた。これによって日本車=小型車のイメージが定着したようだ。
バブル崩壊からHVへ
その後のバブル経済で中大型の高級車の開発は、一応は進むがバブル崩壊と共に販売が激減し、堅調な小型車ビジネスとハイブリッドなどの次世代ユニットの開発にリソースが回された。その結果、いすゞは乗用車部門から撤退し、三菱自工やMAZDAは高級車部門を閉鎖した。三菱自工やMAZDAの本を読むと、しばしば目にすることだが、両社の開発陣は高級車を作らせてくれれば世界の頂点を取る自信があるらしい。