「リッターカー」の終焉
10年くらい前に忽然と現れた初代トヨタ・アクアは、Bセグ車の常識を変えた。まだまだ珍しい存在だったTHS(ストロングハイブリッド)を搭載して、200万円は破壊力抜群のモデルだった。今ではヤリス、フィットの日本車Bセグ2トップがストロングハイブリッドになっていることからも、トヨタの歴史の中でも屈指の名車だと言える。グローバル市場では欧州メーカーや韓国メーカーが特にBセグに積極的であったが、日本メーカーが存在感を示せた(お家芸を守った)という意味で初代アクアの功績は計り知れないほど大きい。
欧州の合理主義
THSのBセグ車に対峙する欧州Bセグは、小型車には向かないはずのディーゼルのトルク感ある走りで対抗した。ディーゼル搭載モデルは日本市場には入ってこなかったけどVWポロ、ルノー・ルーテシア、フォード・フィエスタなど欧州市場でメジャーなBセグは80年代からディーゼルを用意していた。そんな欧州市場のトレンドを、そのまま日本市場に導入してアクアに対抗しようとしたのが、2014年登場の4代目マツダ・デミオで、メーカーも「走りの質ならTHSには絶対に負けない」と熱く信念を語っていた。