安全なテスラ
ピックアップトラックや600ps級のマッスルカーが当たり前に走っているアメリカに対して、稼働乗用車の大半が車重1トン未満の軽自動車である日本では、衝突安全に対する考え方でやや違う意見もあるだろう。多くのお金持ちがメルセデスやレクサスを選んでいるのだからまあ間違いないだろう・・・という安心感の方が上回るのかもしれない。
北米では既存のプレミアムブランドの苦戦が続いている。レクサス、メルセデス、BMW、アウディ、キャデラック、ジェネシスのシェアは削られ続け、ナンバー1プレミアムブランドはテスラのものになった。現状ではもはや不可逆な一人勝ち状態だ。
最強のブランド戦略
「アメリカ企業によるアメリカ生産車」という強みがあり、自動車を新しいエクスペリエンスへと作り変える「自動車業界のアップル」を指向するブランド戦略もわかりやすい。そしてドイツ車や日本車を蹴散らすような衝突安全性をIIHSなどの第三者機関から保障されている。結果論であるかもしれないが、成功して当たり前だったと言わざるを得ない。
かつては「アメリカ車は低品質」とかいうプロパガンダが日本メーカー関係者によって捏造されていたり、「ジャパン・アズ・ナンバー1」といったアメリカ人の自虐もあったりしたが、それらはすっかり過去のものになった。日本市場ではテスラに対してネガティブなイメージがまだまだあるかもしれないが、実際にアップル製品のように日本市場にも浸透しつつある。