輸入車のおかげで・・・
2013年頃にVWゴルフ、ボルボV40、メルセデスAクラスが日本で相次いでヒットした。新興国の経済成長を見越して作られたモデルであり、従来の輸入車の中ではかなり低価格な設定だったことで、団塊世代の引退時期とも重なり、デフレの日本でもすんなり受け入れられた印象だ。
当時は「日本車とはレベルが違う」とカーメディアがあからさまに盛り上げていた。しかしクルマ好きは、V40の設計はフォード(MAZDA)のもので、ゴルフのシャシーもフォード(MAZDA)をコピーしたものであり、Aクラスのシャシーは三菱の流用だと知っていたので「茶番」にしか見えなかった。
トヨタとホンダが覚醒
だが多くの日本メーカーはこの動きに意表を突かれた。MAZDAはアクセラをラインナップしていたが、三菱はギャラン・フォルティスを日本のラインナップから落としていた。ギャラン・フォルティスはアメリカやドイツではそのハイスペックさゆえに2015年くらいまで販売が継続されたようだが、エコカー全盛の日本では燃費の悪さが目立ち、三菱の不祥事によるブランドイメージの低下から積極的に評価する声が少なかった。
トヨタのオーリスは欧州向けと日本向けでサスを変えるなど小賢しいダウンスペックを実施していた。ドイツ仕様のオーリスはBMWのディーゼルエンジンを積んでかなり人気だったようだが、日本向けはミニバンと同じ汎用シャシーとサスが充当されていた。カローラ(フィールダーとアクシオ)はBセグのヴィッツベースのシャシーを使っていて、現在も並行して販売されており、明らかに商用車としての需要を狙ったクルマだった。