スポーツカーを買う時
地味でイケてない自分を変えるために、ちょっと背伸びしたクルマを買うという考えには一理ある。20歳そこそこでスカイラインやアリスト(20年くらい前に人気だったトヨタ車)を所有することは、5年ローンなど気にもならないくらいの「重み」があった。40歳にでもなれば、若者の動機は失われ、クルマは現金一括で買える範囲で選ぶようになる。人それぞれではあるが、若い頃ならば数世代前のクルマに乗ってても違和感ないから安く中古で済ませ、40歳を過ぎてからしっかりローンを組んで高性能モデルを選ぶパターンも一理ある。
ロードスター需要の伸びは、幅広い世代のユーザーによるものらしいが、ローンを組む価値が見出せる若者と、一括で買いたがるアラフォー以上の消費行動に上手くハマっているのだろう。また市場環境の偶然も重なっている。中古車価格の上昇により、NDロードスターの中古モデルはほとんど200万円を超えている。それならば新車を買ってしまおうという判断もあるだろうし、昨年で同じ後輪駆動のライトウエイトであるホンダS660の販売が終了したことも関係しているのだろう。
変態カーライフ!?
コロナで海外旅行もできないからロードスターで近場をドライブしよう。それに飽きたら流動性の高いスポーツカーだから適当な価格で売ってしまえばいい。そんな考えで機敏に動けるフットワークが軽い人も少なくないだろう。しかしそこまで「暇ではない人」にとっては、350万円以上という現実的な投資額を色々と細かく(しつこく)検証してみたくなる。
ロードスターという選択はややエキセントリックで、保守的な家族、同僚、知り合い、ご近所さん、通りすがりの人などに余計な印象を持たれがちなのが日本社会の面倒なところ。ロードスターくらいなら別に贅沢ではないと思うが、「そのルーフはいつ開けるの?」とか訊かれて答えられないならやめた方がいいかも。レインボーブリッジと横浜ベイブリッジと、神奈川県金田湾沿岸道路、R134及び西湘バイパス、千葉県フラワーライン、銚子ドーバーラインなどなど東京都中央部からロードスターで行ける範囲にもそれなりにたくさんコースがあるが・・・。